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フェティッシュの火曜日
 
左ききグッズあれこれ〜そうか、こんなに不便だったんだ〜


縁あって、左ききの大集合するイベントに出る機会があり、そこでご一緒した「左ききグッズのお店」の方のお話が面白かった。古今東西の左きき有名人・左ききにまつわる膨大な話のほか、一見 すっとんきょうな左きき用グッズの紹介もあり、奥の深さにほほうーとうなったものだ。

正直それまでは「左きき」のことをそれほど深く考えたことはなかった。希少な左きき人民の端くれということで、長きに渡って密かな自慢ではあったが。

というか私は「矯正組」だ。純粋なレフティー(最近左ききのことはこう呼ぶ)ではなく、箸を持つときと絵を描くとき以外は全て右なのだ。だから、日常のほとんどのことは支障なく行える。

それでも、興味をひく左きき用グッズがいろいろとありそうなので、お店に直接うかがうことにしたのだった。そこで気づきを得て、そしてテレビに映るかもしれない、ということに。何がどうしたんだ?

乙幡 啓子



街にひそむ右きき人民の陰謀

矯正されたクチだけど呼んでいただいた、東京カルチャーカルチャーにて行わ れた「左ききナイト!!」(この様子は、後日あの東京スポーツ新聞“東スポ” に掲載された)。そこでの「左ききグッズ専門店」浦上さんによるグッズ紹介スライドが興味深かった。

そうだ、最近浦上さんから聞いた話では、アメリカ大統領に選出されたオバマ氏は左ききなんだそうだ!
アメリカの大統領を調べると左利き率が異様に高い結果が判明する、というのは実は周知の事実らしいぞ。

ちなみに私のスライドはそんなに興味深くない。
矯正された左ききは「左右の区別に弱い」らしいので、この機会に覚えよう!という主旨のスライドでござった。


左きき用ブーメラン??右手で投げると戻ってこないという。
ボカシは、「左」「右」それぞれを思わせる名前のキャラクターだ。ここでは見せられぬ。

いろいろとお話を聞き、いろいろと気づくことがあった。日常の中では見過ごしがちだが、確かにこれ、「左ききの人にはそら、不便だろうな」というちょっとした動作だ。次のページでお店訪問をする前に、ここでひとつ検証してみよう。

まずはペットボトルやビンの、回してあけるタイプのフタ。


右手なら手前に回すことになるので、開けやすい。
左手だと向こう側に手首を返さなければならず、開けにくい。

うーん、そういえばそうだった。そして(私は)驚いたのが、缶のプルタブ。右ききの人が開けやすいようにできているのだという。

今飲んでたエビスの缶を見てみた。本当だ!左右対称じゃない!

ほろ酔い気分で(エビス飲んだから)街に繰り出せば、そこは右きき国の領土だ。

今はほとんど使われない電話ボックスだが、開けてみる。


左手で開けると、何かドラマが生まれそうな不自然さだが
右手ならニュースにもならないくらい自然に開けられる。

酔い覚ましにお茶でも・・・と自販機へ。小銭を・・・左手で入れたいんだが・・・。

無理に左手で入れボタンを押そうとすれば、自販機と小競り合いしているかのような、職質一歩手前の体勢に。
最初から大人しく右手で入れれば、晴れて立派な市民に。

そしてこれこそ、左ききライフを妨げる最たるもの、自動改札機である!

下の写真では見えにくいが、左ききがカバンから左手で出し左手に持ってしまった財布は、混み合う改札口という切羽詰った状況下では右手に持ち替えることは危険である。小銭が飛び散りかねない。考えただけで、ああ恐ろしい恥ずかしい。


左手を体の前面に斜めにタスキがけしないと通れないという、肩のストレッチが効いた改札風景。
つまり右きき用、なわけですよ。

ご存知のように、「左ききのお客様はこちらへ」という、左きき御一行様専用の自動改札機はない。

素早い判断と身体反射の必要な改札行動にあって、左ききの人がいかに不便かおわかりいただけるだろうか。私もしょっちゅう不要な「あたふた」を演じてしまうのだ。だんだん腹立ってきた。

まあまあ、おさえておさえて。では少しでもストレスを減らすために、左ききグッズのお店に参ることにしましょうぞ。


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