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フェティッシュの火曜日
 
メカを味わう〜工作機械の展示会

 

他にもいろいろいました

 いきなりマシニングセンタのすごさに圧倒されてしまったが、展示されていたのはそれだけではない。ほかにも様々な工作機械たちがいた。

 こちらは金属を切る機械。直径36cm、丸太みたいな金属柱を、わずか8分で切断してしまう。しかし素人目に見れば、それが速いとか遅いとかいう前に、「そんなでかい金属、切るんだ!?」というところからすでに驚きだ。


切断実演中。一方その裏側では…

裏にある切りくずの排出口。奥の帽子の人が興味津々で見ていた

 

しかもすごくでかいです。(左下の人と比べてください)

運搬用なのに賢い

 この黄色くてでかいのは、同じロボットアームでも、加工用ではなくて運搬用ロボット。

 マシニングセンタを見たあとだと、運搬用なんてどうせ不器用なんだろ、と思ってしまいがちだが、こいつはこいつで超賢い。先端にカメラがついていて、物の位置ありかを自分で見つけて運ぶ。しかも複数台動かすときはお互いに通信を取り合って協調作業したりする。

 

地道な球拾い屋

地味に賢い

 さらに、地味に賢いのがこれ。床に散らばった円盤状の部品を、内蔵カメラで見つけて正確に掴んで、ラインに載せていく。地味ないい方をすれば球拾いマシン、かっこいい言い方をすれば全自動UFOキャッチャーだ。いやかっこよくないか。

 他に地味なところでは、「鋭利で危険な金属の切りくずをブロック状に固める機械」「ひも状の製品をひたすら巻き取ってくれる機械」などがあった。機械そのものの面白さもさることながら、「そういう需要があるんだ」というところから、すでにおもしろい。

 

 

会場内に敷かれたレールを動き回っていた機械。運搬用の機械?

これも地味ながら巨大さで圧倒。1.5mくらいある回転板

 

工具部門

 ロボット以外に、もっと細かな工具類も多数展示されている。代表的なのは、ドリルや旋盤の刃だ。


いちばん上の極細ドリル。どのくらい細いかというと

映っているのはシャープペンの先。見事に穴空いてます


 左下の写真を見て欲しい。ぴかぴかに磨き上げられた、菱形の金属片。どことなく高級感があってアクセサリーにしたいビジュアルだが、これは旋盤で金属を削るときの刃(チップというらしい)なのだそうだ。ちょっとサクマドロップに似てるけど舐めたら大惨事だ。


ほんとにピカピカ。気品すら漂う

ウニみたいだが、曲面にチップがずらりと並んでいて触ると危険。いやウニも危険か

 

もっさー
リンゴむきと工作機械の関係 

 ドリルや旋盤のブースでは、やたらディスプレーに金属の削りくずが使われていた。キラキラして綺麗だからだろうか、と思ったのだが、よくよく見てみるとどうやら「器具の性能がいいので削りくずが綺麗」ということをアピールしているようだ。

 リンゴの皮むきで誰が一番長く剥けるか、なんて競争があるけど、金属加工の世界でもそんな競争があるとは。

 ちなみに写真の削りくず、フカフカして気持ちよさそうだけれども、実物はかなり鋭利なので手を入れるとザクザクになります。

 

 

ふしぎ部門

 ふしぎな機械もあった。下の写真は、液体の中に金属を入れるだけで、ピッカピカに研磨してしまう機械。全然原理がわからなかったのだが、あとで調べてみると、液体の中に細かい研磨用の材料がたくさん入っているらしい。それを磁力でかき混ぜることで、磨きたいものに当てて研磨するのだそうだ。


見た目はただの白い液体がブルブル震えているだけ

写真ではわかりにくいですが、明らかにぴかぴかになってました

 

未来部門

 そして驚いたのがこれ。3次元プリンタだ。インクジェットプリンタと同じ要領で樹脂を吹き付け、それを何層も重ねることで立体を作ってしまうという。しかもいくつもの樹脂を使いわけて、複雑な模型を作ることも可能。広い会場内、このブースだけ未来だった。


機械はけっこうでかい

レンチ型のサンプルを印刷中


完成見本。骨格と肉の部分は違う樹脂が使われている

人体模型の見本。かなり緻密にできてます


 ここまで、展示会の様子をざっとご紹介した。ここからは棒が興味をひかれた、もうちょっとフェティッシュな部分に迫ってみますよ。

 

 

 
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