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フェティッシュの火曜日
 
型抜き屋を再び出店、ただし自家製

次は和菓子職人のつもりで

そう、型抜き菓子はいいとして、作り方がまったくわからない。わからないが、既製品の箱書きを見ると「寒梅粉」という見慣れぬ材料がある。調べたところ寒梅粉とは、もち米を餅にした後に焼き上げ、それを砕いて粉にしたもの。落雁などの菓子に使われるようだ。

落雁!あの、お茶席で出される固いコナコナしたアレ。仏事でお供えされる3色のアレ。そうか、落雁を作る要領でやってみたらいいのでは。人生で「落雁」を作る日が来るとは思いませなんだ。


普通の食料品店には売ってなくて、6駅越えたとこにある菓子材料専門店まで買いにいきました、寒梅粉。
少量の「水」を加えて練ったら・・・ただの「モチ」になったとさ!

しかし・・・いかんせん落雁はおろか、ふだんめったに菓子など作らないので、なかなかに手間取る。落雁は「粉に、水で湿らせた砂糖を混ぜて」作るようなので、砂糖をケチってじゃあ水だけでもいいや、と混ぜてみたらただのモチになってしまった。試行錯誤の連続で、また6駅越えて粉を買いにいかねばならんのかと焦る。

水あめも混ぜるということなので、最後の手段、さっそく水あめを買ってきた。


今後使うことあるのか・・・と思いきや、照り焼きするときに混ぜたりしてもいいみたいだ。今度やってみよう。
粉はきっちり量る。15gにつき、水あめ小さじ2で行こう。これも試行錯誤の末の結論である。
赤い食用色素をほんの耳かき半杯混ぜる。少しでもオーバーすると真紅の恐ろしい型抜きになるぞ。
ダマにならないよう、手早く職人のようにもむべし。

水だとすぐにモチ状になっていた粉が、水あめだとサラサラのまま、まとまる!って何だか整髪料のようだが、とにかく、材料が違うと結果も全然違う、と至極当たり前のことを体で知る。

ただ、細かいダマができやすく、その退治が思うようにいかない。今後の課題だ。


離型剤がわりに片栗粉を撒いた。
粉をしきつめて、上からぎゅうぎゅう押し付ける。

あの型抜き菓子はかなりの固さ、よってここが正念場だ。ラップの上から何度も何度も押し付ける。型はFRP製、ガラス繊維も混ぜてあるのでびくともしない。だいたいいいかなと思ったら、100度のオーブンで型ごと数分乾かす。

失敗も含め、このページの工程を10回は繰り返すこととなった。1回1時間はどうしてもかかってしまうゆえ、イベント当日の朝も作業は続いた。打ち上げ前に必ずウコンの力を飲んどこうと決めた。


菓子職人はえらい。何度やっても「商品レベル」のものを安定供給できるんだからな。

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