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ちしきの金曜日
 
「猫の糞小路」に行ってみた

鹿児島市内に、その名も「猫の糞」という通りがあると聞いたので、行ってみた。どこがどう「猫の糞」なのか?猫の糞だらけなのか?だったら掃除しろ、と思いながら。

大山 顕



■祖父の残した切り抜き


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鹿児島市内最大の繁華街「天文館」からほど近いところ。こんなところに?猫の?糞が?

ぼくの両親は鹿児島出身で、祖父祖母の家は鹿児島にある。ぼくはいまだに実家で暮らしているので「盆や正月に帰省する」ということをしたことがないのだが、幼い頃から夏休みはその両親の実家を訪ねるのが恒例だった。だからなんとなくぼくにとっての帰省先は鹿児島、という印象がある。


路面電車の走る通り。この写真の向こう側に伸びる先と背後が「猫の糞小路」らしい。

最近はなかなか「帰省」することができずにいたのだが、先日ひさしぶりに訪ねることとなった。祖父が亡くなったのだ。ここ数年ほとんど会えずじまいで残念だったな、と思っていたが、聞けば「けんちゃんのことはテレビでよく見ていたよ」とのこと。初めて心の底から「テレビに出るようになって良かった」と思った。みんなも出といた方が良いよ、テレビ。


鹿児島弁では「猫の糞小路」は「ねこんくそしゅっ」になる。「しゅっ」がいいよね。「しゅっ」が。

で、祖父の遺品の中に面白いものがあった。新聞の切り抜きだ。2008年4月18日の南日本新聞の夕刊。見れば「ねこんくそしゅっ」とある。鹿児島弁で「猫の糞小路」という通りが市内にあるとのこと。なんだそりゃ。

祖父は医者だった。団地とか工場マニアだという話は聞かなかったので、孫のぼくとは異なる趣味の持ち主であったと思われる。でもやっぱりこういう話題を面白がったようだ。わざわざ切り抜いてとってあったのだから。

今年の4月時点の祖父はもうかなり足が弱っていて満足に歩けない状態だったと聞く。興味はあったようだが、おそらくこの「ねこんくそしゅっ」を訪ねることはできなかっただろう。ならば、ぼくが行ってみようじゃないか。


■ただの通りだ


正式名称は「山之口町中通り」ですって。

とまあ、なんかウェットな話になってしまったが、要するにぼくは暇だったのですよ。法事って暇だよね。あと「これはデイリーポータルZのネタになる」とも思ったし。じいちゃん、すまん。

で、行ってみたところ通りは確かにあったけど、ちょうふつうのたたずまい。正式な名前も「猫の糞小路」ではなく「山之口町中通り」というもの。しかし、どこか に「猫の糞」らしさはないものか。というか、「猫の糞」ってなんだ。いや、それが何かは知ってるけどさ。何かの隠喩とか?


猫の糞らしさをみじんも感じさせない佇まい。

ちょうふつう。夜になったらにぎわいそうな感じ。
猫はいたけど、糞は見あたりませんでした。

とっとと結論を言うと、「猫の糞」らしさはなかった。通りの端から端までくまなく見てみたが、そりゃあ清潔なものだ。糞なんてありゃしない。

ただ、ふとあることに気がついた。


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