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チャレンジの日曜日
 
10枚のフェイクレイヤード


 

みなさんはフェイクレイヤードという物を存知でしょうか。Tシャツで首周りや袖などに重ね着をしているような縫い付けがしてあるもののことですが、最近では非常に多く売られているので言葉は知らなくても見たことがある方は多いかと思います。

実際に重ね着はしてないのにも関わらず重ね着風にしたいというのなら、いっそのことたくさんフェイクにしてしまえばいいと思うのです。

荒原べんぞう



フェイクレイヤードがわからない

洋服屋にシャツなどを買いに行くと、最近ではフェイクレイヤードになっているものを多く見かけるようになりました。一枚のシャツなのに、首周りの部分だけ重ね着に見えるような加工をしてあるこのシャツ、他の人から見ると重ね着をしていて暖かそうでも、来ている本人は1枚しか来ていないので案外寒い。

だから結局フェイクレイヤードになっていようが重ね着はするわけで、そしたら重ね着している上にさらに重ね着をしているみたいに見えて、もうわけがわかりません。あの人あんなに重ね着してどれだけの寒がりなんだ、とか思われてないでしょうか。

 
ついつい買ってきた
1、2、・・・3枚

この機会なので一度フェイクレイヤードと正面から向き合ってみようと思い、改めて洋服屋にシャツを買いに行ってみました。すると、なんと3枚にレイヤーされている(風の)シャツを発見してしまいました。僕の頭の中は軽くパニックです。今まで2枚のフェイクでも納得いってなかったのに、ここに来て3枚。君たちは何か、多ければ多いほうがいいのか。

だったらこっちとしても意地があります。たくさん重ねたらいいんだろう。何枚も何枚も重ね着をしているような1枚のシャツを作ったらいいんだろう。

 

ものすごくレイヤーされている風のフェイクシャツを作る

さきほど買ってきたシャツに他のTシャツの首周りだけを縫い付けていって、たくさんレイヤーされているフェイクTシャツを作ります。


いらないTシャツ大集合
小学校のときに学校で買ったソーイングセット

まずは押入れから着古したTシャツを引っ張り出してきました。そしたらとてもたくさん見つかって押入れの収納力の高さを思い知りました。同時に僕が衣替えをちゃんとしてないことも思い知ったのですが、それはともかく、これらのTシャツの襟周り・裾・袖の部分を切り取ってそれぞれ縫い付けていきます。
   
玉結びからお願いします
これでもかってくらい指に針を刺した

縫い付ける、と簡単に言っても僕の家にはミシンがありません。ですので手縫いで縫い付けていきます。ところが僕はワイシャツのボタン付けすらもできませんので、裁縫の本を買ってきました。これを見て一から勉強しつつTシャツを縫い付けます。道のりは長そうです。

こういう強盗はいない

最初のうちはかなり難航しましたが、それでも根気良く続けているうちに順調に縫い付けを進めることができるようになりました。しかし調子に乗るといいことは何もなくて、もしかしてこれ首通らないんじゃないかと思ったときには既に手遅れ。見事に首周りを小さく縫ってしまっていました。

既に縫い付けている何枚かを再び縫い直すという巻き戻り。やっぱり道のりは長そうです。

 

ついに完成

いろいろありましたがなんとか完成にこぎつけました。Tシャツだけでなくパーカーのフードなども付けたのでずしりと重くなりました。


完成したフェイクレイヤードTシャツ

試しに着てみましたが重ね着しているように見えるでしょうか。裾や袖などを見ると重ね着しているみたいなのですが、首周りのもこもこは重ね着というより首を痛めた人みたいです。とにかく言えることはこんな服はない。新しいファッションが生まれた瞬間です。

 
これだけ着ててもウェストは細い

試しにウェストの部分を絞ってみると意外なほどに細くなりました。思ったよりも細かったということは、頭の中では太く想像していたということでもあると思うので、だからやっぱり重ね着しているように見えているということでしょう。

よし、これで完成です。最終的にレイヤーの数は10枚にもなったので、これを着て街に繰り出せば2枚のフェイクレイヤーに比べて5倍モテるはずです。早く、早く外に行かねば。


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