パラボラだらけのパラボラ大会
守衛室で受付をして、敷地に少し入ったところで息を呑んだ。
パラボラだ。
そこいら中にパラボラがある。
そもそも僕はパラボラに対して、特別な感情を持っていたわけではない。
もちろん、かっこいいとは思っていたけれど、それはたとえば「テレビの地上波のアンテナに比べて衛星放送のパラボラはかっこいいよね、なんてったって衛星だし、丸いし」という程度の思いでしかなかったのだが、観測所に一歩足を踏み入れた瞬間、いや、小海線の車窓からあのでかいパラボラを見た瞬間からその思いは一気に深まっていた。 |