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ひらめきの月曜日
 
甘味料を11種類集めてみた

また時間のかかることを

まずはリンゴを細かなイチョウ切りにして、それを用意したコップに入れる。もちろんコップの数は11個だ。


夜中になにをやっているんだろう。
誰に頼まれたわけでもないのに。

リンゴを11当分にしたら、上から用意した甘味料を大さじ1杯強かけてみる。


ザラメをザラーッと。
水あめはニュルーッと。

量が量だけに、作業は台所の床で行われた。冷える。そしてものすごく邪魔だ。

うっかり足で踏みそうになりながらも、甘味料をかける作業は無事に終了。


なかなか壮観ですな。

もちろん、このまま火にかければ「りんご煮」として食べられなくもないのだが、今回はこれを一晩置きたい。なんでも浸透圧とやらでリンゴから水分が出るらしいのだ。火にかけるのは、それからにしよう。

では、それまでに何をやるべきか。11種類の甘味料を食べ比べるのに適した料理ってなんだろう。


そうだ、豚の角煮を作ればいいんじゃないか?

…待て待て。角煮を作るのに最低2時間かかるとして、11種類の甘味料全てを試してごらんなさいよ。一体、何時間かかると思っている。残念だが角煮案は却下だ。

となると煮物系は全滅か。じゃあ砂糖が欠かせない焼き物なんてどうだろう。


玉子焼きなら手軽に試せるんじゃないか?

というわけで、甘さ比べは玉子焼きで行いたい。さっと焼くだけでは溶けてくれないだろうザラメは外すことにしたので、計10種類での挑戦となる。

「玉子焼きなら手軽だろう」との思いから始めたものの、なんたって10種類だ。使う皿も10個。ああ。


本気でやるのか?
やるんです。
もう後には引けないんです。
左:黒砂糖。右:白砂糖。色の違いにおののきながら。 

ダシをたっぷり入れた玉子焼きにしたかったが、それだと焼くのに時間がかかりそうなので、今回は砂糖・醤油・ダシ汁少々という構成にした。同じ作業を10回繰り返すことを考えると、短縮できる時間は1秒だって無駄にしたくない。

では、焼きますか。


ころんとした可愛いサイズの玉子焼き
10回目には、かなり上手になってました。

まるで自分が「玉子焼きマシーン」にでもなったかのような気分になりながらも、1時間以上をかけて全ての卵を焼いた。焼き続けた。


寿司のように並べたところで、すべて玉子焼き。

正直、食べる前から腹が、いや胸が一杯だ。でも焼いたからには食べなければ。

きび砂糖から順番に食べてみたのだが、どれもそれなりにおいしい。色の黒さに違いはあれど、ほとんどに「ああ、甘くておいしい玉子焼きだな」という感想をもった。

味の違いを以下の3つにまとめてみよう。

  • コクがある…きび砂糖、白砂糖、黒砂糖
  • サッパリしている…甜菜糖、ラカント、パルスイート、水あめ、はちみつ、メープルシロップ
  • 苦い…シュガーカット

シュガーカットだけ、なぜか苦い。

え? と思って何度も確かめてみたのだが、やっぱりシュガーカットだけ苦いのだ。おかしいじゃないか。これじゃ甘味料じゃなくて苦味料だ…と、容器に書かれた注意書きを改めて見たところ「苦味を感じるときは使用量を減らしてください」とあった。

なるほど、単に使い過ぎていたらしい。


他は甘くて、まるでミルクレープのような玉子焼きでした
残された殻を見るたびに、やらかした感が増すばかり。

普通の砂糖はネットリしているというか、よく見知った甘さなのだが、カロリー控えめ甘味料やハチミツなどは食感もサラッとしていてサッパリと食べられた。

結論としては「どれもそれなりにおいしい」と書かざるを得ない。まあ予想通りと言うべきか、なんというか。

そしてこの後、ちょっと気持ちが悪くなりました。まさか「砂糖の摂りすぎ」ってことはないでしょうが、一度にたくさん食べるものではないことも確かです。気をつけましょう。

と、具合の悪いままによろよろと寝て、起きたら待っているのがリンゴだ。


おお、汁がたっぷり出てる!(ムカつきながら)

まさか、これほどまでに体を張る企画になろうとは…。砂糖相手なだけに、甘く見過ぎていたのかもしれない。

うまいこと言った気になってますが、まだまだ終わったわけではないのだった。


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