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フェティッシュの火曜日
 
長靴をお菓子の長靴にする
これを、こうしたい

長靴が、以前にまして巨大化していないか。

クリスマスのお菓子の長靴(ブーツ)の話だ。長靴型の入れ物に小さなお菓子がぎゅうぎゅうにつまった、クリスマス特有のギフト。あれが私が子どもの頃より、ずいぶん大きくなってきていると思うのだが気のせいだろうか。

もうほとんど普通の長靴ぐらいの大きさだ。 じゃあ、普通の長靴でいいんじゃないかと一瞬思う。

普通の長靴にお菓子を入れるのには抵抗がある。だって、足を入れる靴だ。そこを乗り越えて、長靴をお菓子を入れられるくらいハッピーな長靴に作り変えられないだろうか。

(text by 古賀及子

今回の「お菓子の長靴」というのは、つまりこういうの。40センチぐらいの高さがあるものも。でかい。

大きくイラストが入っているものも多かった。これも大型サイズ

靴にお菓子を入れる勇気はない

そもそも靴にお菓子を入れるってどうなんだろう。だって靴だ。どんなきれいなお姉さんのブランド靴でも、どんなにかわいい小さな赤ちゃんのでも、履いた靴にお菓子はちょっと入れたくないというのが普通の気持ちなんじゃないか。

と、その前にクリスマスにプレゼントを入れるのは靴じゃなくて靴下じゃなかったかしらと思う。調べてみると、諸説あるのかもしれないが、サンタクロースのモデル聖ニコラスの伝説が元になっているようだ。

聖ニコラスさんが貧しい家の煙突に投げた金貨が、なんと、偶然干してあった靴下に入ったから……、らしい。命中したのが人の口だったら、今頃みんな口にお菓子やプレゼントを詰めてたってことか。ふがふが。

さて、その靴下がどこで靴になったのかまでは調べがつかなかったのだが、サンタクロースの赤いブーツがプレゼントの華やかなイメージに合ったのかもしれない。

サンタクロース周辺の由来についてはいろいろありそうなのでこの辺で切り上げるとして、さて、私は今日は普通に履くために作られた長靴を、お菓子を入れられるまでにクリスマスっぽく飾ってみようと思うのだ。抵抗なくお菓子を詰められるまで作りきれたら、私の勝ちとしたい。

勢いのまま勝ち負けの話にしてしまったが、勝負となったら負けられないぞ。と思って自分の長靴(ブーツ)を見てみた。じっと見る。見る。見る。

無理であるこれにお菓子を詰めるのは

思わず5・7・5にしてしまったが、3年履いているヨレヨレの靴にはさすがにお菓子は入れたくない。

ぬいぐるみみたいなのもあるのかあ、と思ったら
もはや靴ではなくなっている(でも「BOOT」って書いてある)

新品の靴をなんとかお菓子の靴にしたい

じゃあ、100歩譲って新品の靴はどうだろう。と、作業用の長靴を買ってきた。買うときに、思わずいつものように試着しそうになって慌てた。履いちゃだめだ。

きみには足ではなく、お菓子を入れさせてもらう。頼んだぞ。


我が家の和室にやってきた長靴。ここからクリスマスが生まれようとは誰も思うまいて

お菓子の長靴化計画

長靴をお菓子の長靴化する。もともと形は同じ靴なのだから難しいことではないはずだ。まずは真っ赤にカラーリング、それから色々とデコレーションしていこう。

そういえば私が今年最初にデイリーポータルで書いた記事が「食品サンプルを本物の食品で作る」というものだった。年末にきて、今度は本物の靴を靴型の入れ物にしようとしてる。こういことって、何て言うんだっけ。そうだ、いってこい、だ。

では行ってきます、ということで、まずはカラーリング。エプロンにマスクにサングラス(油性のカラースプレーを使ったため)準備は万端、よし、塗っていきましょう。


こういうスタンダードなお菓子の長靴を目指す メリー・クリスマス

ちょっとしたショッキング画像が出ます

工作や裁縫などものづくりにあたっては、完璧なマニュアルがない場合まず最初は失敗すると思っていい。カンが良く手先が器用な方なら最初から上手くいくこともあるのかもしれないが、私に限ってはほとんど、絶対、だ。

大抵は

・何かが足りなかった
・用意した物に間違いがあった
・物質が思ったような性質でなかった

など、いろいろの理由により頭に思い描いたようにはいかないのだ。

正直、スプレーで靴を赤く彩色するというアイデアは最初から上手くいくとは思っていなかった。思っていなかったのだが、さすが現実である。そんなネガティブな想像の斜め45度上を行くような結果を出してきた。

つまり、想像以上に大変なことになった。以下、ちょっとしたショッキング画像が出ます。


がいーん

最後は成功しますのでご安心を!

ちょっとシャレにならないような状態になってしまった。呪いの長靴。近所の小学生の噂になりそうな様相である。

慌てて先にバラすが、最後にはきちんとお菓子のブーツ化は成功するのだ。これでどう成功するのだと思われるかもしれないが、どうか安心してついてきて欲しいと思います。


2度塗りして塗料の定着材も塗ったが、呪い感はおさまらない

長靴本来の地味さが奪われ、現れたのは赤いペンキという廃墟的な呪いの雰囲気。クリスマスの華やかさから逆に離れてしまった。マイナス100kmといったところか。

正直かなり慌てているが、勝負はこれからだ。

100円ショップを中心に、クリスマスのデコレーション用グッズを買い集めてきた。これがものすごい装飾効力を発揮することになる。

ちなみに上記の事態については最初から赤い長靴を買えばよかったのではと一瞬思ったが、すると最初からお菓子のブーツを買えばいいだけの話であると薄っすら気づいて頭を振った。ぶんぶん。


次のページからどんどこ逆転していきます!

  呪いがどんどん消えていく >
 


 
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