ところで、さっきのハズレを全部ひとつの板に貼って眺めてみたらどうだろうと思い付いた。
一個で悲しいハズレを、一つのボードにたくさん貼って眺めたら、いままでに味わったことのない悲しみが襲ってくるんじゃないか。そんな悲しみなら味わってみたい。
そんな倒錯した欲望を満たすためにハズレをボードに貼りつける。
完成したものを見ると随分スカスカだ。かなり集めたと思ってたのに、それ以上にハズレの面積が小さかった。
そういう感想しか出ない。ハズレばかりで悲しいとかは皆無で、本当に視覚情報そのまんまの気持ちしか沸いてきませんでした。
ハズレの数を増やそう
やはりハズレの数が少ないと思った。ボードに空きがありすぎ。ハズレの悲しさより空きの寂しさの方がかなり目立つ。
もっと大量のハズレが必要だ。
一気に多くのハズレをゲット出来た。これでスカスカのハズレボードを埋めてしまおう。
ほぼ全面を覆い尽くすハズレ。これはかなりのハズレでがっかり感がありそうだが。
という感想だった。確かに金と銀で光ってキレイ。はずれの字も赤くて小さくてよく見えないから、ハズレのがっかり感は感じない。
だからそれが逆に、ハズレ以上に悲しかったのです。
これからもハズレを集めようと思います
ハズレというのは元来嫌われものであるわけだけど、改めて着目してみれば独特の悲しい雰囲気とか哀愁があって良いなと思った。時代劇の切られ役一筋何十年みたいな。
コレクション物としてもかなり安いので、個人的には今後も集めていきたい。
それに駄菓子屋を回って駄菓子を買うのが楽しかった。お金のことを気にせず片っ端からカゴに放り込んでいく快感は、大人になって本当によかったと初めて思えた。