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ひらめきの月曜日
 
いかめしエースのスゴ技を見た

いかめし作りを見学します

さあ、いよいよ今回のメインである「いかめし」作りを見学させてもらおうと思う。


厨房に潜入します

会場の奥に設けられた厨房で5名の職人が「いかめし」作りにあたる。今回の布陣はめし詰め担当が杉山専務を含む4名、それを煮る担当が1名という内訳だ。

いか詰め界の三本柱
すごく忙しそうだ

ここでは1日約8000個ほどのいかめしが生産される。少人数で凄まじいノルマをこなすため、黙々とイカに対峙する職人たち。インタビュー中であれ、イカにめしを詰める手が止まることはない。「ザー(イカにこめを流し込む音)、キュッキュ(イカの口を閉じる音)」。

その中でも、最も手際のよい青山さんは阿部商店のエース。プロ野球でいえば「稲尾・金田クラス」の屋台骨であるとか。

それでいて、お名前を尋ねれば「山口百恵」と返してくるような気さくなお人柄。職人歴を聞けば「まだ5年だよ」と嘯くがその冗談の感覚からして、なかなかのベテランだと推測される。


専務いわく「稲尾クラス」の大エース青山さん

動きが速すぎて写真がぶれる
これはもうアスリートの動きだ

金属の型でイカの口を広げ、そこに右手の感覚を頼りに絶妙な分量だけ掴んだ生米(もち米とうるち米の混合)を流し込む。楊枝でキュっと口を閉じたら一丁上がりだ。「ザー、キュッキュ」。手首のスナップがきざむ小気味いいリズム。

1分間に約12個のいかめしを生産するという日本最高峰の神業にただ見とれてしまう。


こちらもエース格の寄木さん。やはり手が見えない

合間で休憩を入れながらとはいえ、10時間以上立ちっぱなし、手も動かしっぱなしのハードワーク。腱鞘炎にかかることもしばしばだという。

意外にも職人さんたちは阿部商店の正式な社員ではなく、夏場は北海道のゴルフ場でキャディとして働いていたりする。ゴルフ場のオフシーズンである10月以降はちょうど駅弁イベントのかきいれ時にあたるため、クラブをイカに持ちかえるのだ。


めしを詰めたイカを土井さんが煮る
ボイル20分、秘伝のタレで20分

おほー! うまそう!

40分かけてじっくり煮込まれたいかめしがバットにあげられた。実にうまそうな色つやを放っている。あつかましいとは思いつつ、作りたてをひとついただく。

あちち
切り口。こめがびっしり詰まっている

イカは肉厚でやわらかく、びっしり詰まったごはんにも一粒一粒に味がしみ込んでいる。うまい! もう、バットごと食いたいくらいうまい!

そして、すぐ箱詰め。常に作りたてが店頭に並ぶ

1箱に2個のいかめしが入って(イカが小ぶりの場合は3個)500円だ。常に作りたてを提供するべくこれだけの手間をかけていることを考えれば、かなり良心的な金額ではないかと思う。

やはりいかめしは最高だ!


ストラップなどグッズ展開もしていた

いかめしがあなたの街にもやってくる

本来は、遠い北海道の小さな駅でしか食べることができない「いかめし」をお近くの百貨店で堪能できる駅弁大会。1月は全国各地で開催されるため、あなたの街にもやってくるかもしれない。

※いかめしが出店する駅弁大会の情報は阿部商店のホームページでチェックできます。

●いかめし阿部商店
https://www.ikameshi.co.jp/


ぷりっぷり

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