ここでは1日約8000個ほどのいかめしが生産される。少人数で凄まじいノルマをこなすため、黙々とイカに対峙する職人たち。インタビュー中であれ、イカにめしを詰める手が止まることはない。「ザー(イカにこめを流し込む音)、キュッキュ(イカの口を閉じる音)」。
その中でも、最も手際のよい青山さんは阿部商店のエース。プロ野球でいえば「稲尾・金田クラス」の屋台骨であるとか。
それでいて、お名前を尋ねれば「山口百恵」と返してくるような気さくなお人柄。職人歴を聞けば「まだ5年だよ」と嘯くがその冗談の感覚からして、なかなかのベテランだと推測される。 |