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はっけんの水曜日
 
ちゅうしゃき料理
 


注射器を料理に使うことがあるらしい…というのは、どこかで聞いて、知っていました。
一番有名なのは、ラーメン店の人が、ゆで卵に、おいしいだし汁を注入するという裏技です。

いっぺんやってみたいなー、と思いつつも、「注射器ってそのへんじゃ売ってないもんなー」と、諦めていたのです。

でも先日、僕らの味方・東急ハンズの「理科」コーナーに、注射器があっさりあったんです。正確に言えば、注射器に準じるもの。
そういえば火曜ライター乙幡さんもシリンジを入手していましたっけ)。
さてと、どう利用しよう?

(text by 大塚 幸代

あらためて眺めてみます。うーん、こういう器具って、むやみやたらと、そそるものがありますね。普段、触れる機会のないものだし。
ちなみにハリは、売ってた中でいちばん細いのを買いましたが、全然人体に入るような大きさのものじゃないです。これで刺したらものすごく痛いと思われます。


さっそく、ゆで卵を作って、ほんだしを溶かして、シリンジに入れて、ぶちゅっと注入。
刺してる間は楽しいのだけれど……多めに注入してしまうと、穴から汁がダラーッと逆流!!
仕方ないので、次は逆流しないように、少なめに入れたんですが、今度は味が足りない…。

針が太すぎるのかなあ、針がもうちょっと細かったら、逆流しないのだろうになあ、と少々くやしい気持ちでタマゴを食べました。

■ちゅうしゃきと街に出る

ヤケになった私は、注射器を持ったまま、街に出てみました(やましいところはなくとも、このまま歩いていたら職務質問されてしまいますので、すぐにしまいましたけども)。

しかし、どの店のメニューを見ても、「これは注入すべきだっ」とピンとくるものはなく…。

 

とりあえず回転寿しへ。

びんちょうマグロを注文、さっそく醤油を吸い込み、びんちょうの身にプスプスと刺してみます。
これで、醤油でゴハンがくずれずに、スマートにお寿司が食べられる…のでは? と思ったのですけれど。

正直に言います。

手やハシで醤油付けて食べたほうが早いしキレイ。

なかなかいい考えだと思ったんだけどなあ(本気)とうなだれながら、今度は居酒屋へ移動しました。

見かけはヅケみたい。

和民にて、まずはポテトを頼みます。
「ポテトのケチャップを、ポテトの中に埋め込ませることが出来たら、なかなか面白い一品が出来るんじゃないかな?」
と考えたのです。
ケチャップは真っ赤でした。当たり前だけど。ケチャップが固めだったので、ゆっくりゆっくり、吸い上げていきます。

左がケチャップ入りポテト。ほんのり赤くなってるのが、分かりますでしょうか。

で、これが…。

とくに美味しくなかったんです…。ケチャップがボヤけた味になってしまい、イモと同化していた、というか。

タバスコ入りケチャップとか、味の強いものだったら良かったのかなあ、と反省…。

 

■最後の挑戦

注射器に負けた気がするよ、悔しいよ、と考えていたら、フト、とある料理マンガを思い出しました。『大使閣下の料理人』という作品。
そこには、バナナにバナナリキュールを注射器注入して、焼きバナナにすると絶品、って書いてあったのです。

よっしゃ、とドンキホーテでバナナリキュールを購入。


ぶすぶすぶすぶす、刺して注入。バナナリキュールは甘い甘い匂い。

裏表、焼いたらこんな感じ。注射器の穴の後はバレない感じ。

これが、中が美味しかった!

焼きバナナ自体も美味しい料理だけど、香りと甘さが強くて、素晴らしいデザートになっていました。
でもこれ、バナナの皮をむいて、リキュールかけながら焼いても、同じ味になるかもしれないんですけどね…、それはいいっこなし、これはこれで良し!

■研究の余地あり

今回の失敗(?)をふまえて、注射器料理にふさわしいであろうものは…

  • 注入する液体は、味や風味が濃いもの
  • 注入される側は、形がはっきりしてて出来れば皮があるもの

という感じかと思われます。うーん、もうちょっと研究したい…!!


 
 
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