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ひらめきの月曜日
 
スパゲティが壁に貼り付いたらアルデンテ?


今日はタイマーを使いません。

 

「スパゲティを茹でる際、イタリア人はパスタを壁に投げつけてアルデンテかどうか確かめる」という話を聞いたことがある。麺が壁面にペタリと張り付けば「茹で上がり」なのだという。

しかしながら、私はこの方法を一度も試したことがない。なんたって日本にはキッチンタイマーという便利な物があるし(イタリアにもあるだろうが)、麺を壁に投げつけるのは、やはりちょっと抵抗がある。

でもそれが本当ならば、スパゲティを茹でる時に時計を見る必要はなくなるわけだ。もちろん壁に張り付いた分は捨てずに食べるんだし、できるもんなら是非マネしてみたいと思う心を誰が責められようか。

果たしてスパゲティは、本当に壁に張り付いてくれるんだろうか。そして肝心の茹で加減は。

高瀬 克子



まずは人んちの台所で

先日、たまたま当サイト編集部の古賀さん宅へ行く用事があったので、ついでに「壁にスパゲティを投げてもいいですか」とお伺いを立てたところ「どうぞどうぞ」と快諾をいただいた。

「そんなこと自分ちでやれよ」とお思いの方もいらっしゃるだろうが、なんとなく「壁にスパゲティを投げる」という行為には「にぎやか」という言葉がピッタリな気がしたのだ。

イタリアは陽気なお国柄だと聞いている。本家に倣い、やるなら人が大勢いる環境がピッタリだろう。場所が古賀家となれば、さらにうってつけだ。無事に麺が張り付き、それが完璧な茹で上がりだったりしたら拍手喝采となるはずである。


そういえば先月ここで「新しいおせち」を作ったばかり。勝手知ったる他人の家の台所、である。
まずは普通にスパゲティを投入。
茹で上がりを待つ間に、
壁の下の部分にはアルミホイルを貼っておきます。

万が一のことを考え、壁の下にはホイルを敷くことにした。張り付かなかったスパゲティが隙間に入り込んだりしないよう、保険をかけたのだ。

わざわざこんなことをしなくて良かったのかもしれないが、一応、念のためです。念のため。


そろそろかなー。
さて、これは壁に張り付くんでしょうか。

「まだアルデンテには早いよなー」という状態ではあったが、この段階でとりあえず一投しておこう。もしもこれが張り付いてしまったら「この方法は当てになりません」もしくは「イタリア人の言うアルデンテは非常に硬く日本人向きではない」ということになり、企画が終了してしまう危険性もあったが好奇心には勝てない。

付かなかったら、頃合いをみて再度挑戦するまでだ。


では本日の第一投、いってみよう!
どうだ?!

ペタッ、ポテッ、という音が聞こえた。壁にスパゲティの姿はない。

…ど、どこ行った?


いた。

壁に思いっきり拒絶されたスパゲティは、用意したアルミホイルを通り越しコンロの部分にまで跳ね返されていた。「ごめんごめん」と謝りつつ、再び鍋の中へと戻す。

うん、まぁいいさ。あくまで予想通りさ。


食べて固さをチェック。うん、いよいよか。

硬めのスパゲティが好きな人なら、そろそろ火から下ろす硬さになっている。第二投を急がねば。

 

どういうことだ

一投目の写真を見直してみて分かったが、さっきはあまりにも勢いを付け過ぎた。麺一本を投げるのに、あんなに振りかぶる必要はないだろう。

そこで、今回は左手でソフトに投げることにした。柔らかな麺は、今度こそペタリと壁にくっついてくれるに違いない。


優しく投げてみたのだが。
…ああ?

またしても壁にスパゲティの姿はない。なぜだ。もうアルデンテと言ってもいい頃だ。張り付くなら今だぞ。それなのに、嗚呼それなのに。


しーん。

こんなことは考えたくなかったが、もしかして私の投げ方に問題があるのかもしれない。撮影してくれていた古賀さんに「やってみてください」とお願いするまでもなく「私にもやらせてください!」との申し出があった。

是非ともお願いします!


もう、ペターッとくっつけちゃってください!
とりゃ。

しーん。

またしても、である。

結論から言うと、何度やってもダメであった。一体どうなってるんだ。何をどうすればいいっていうんだ。

あれこれ試してみたくても、鍋の中のスパゲティは刻一刻と柔らかくなっていく。「壁に張り付かせたい」と頑張っているうちに伸びきってしまっては元も子もない。


ああ、もう限界です! 火から下ろさないと!

結局、壁に1本も張り付かないままスパゲティは火から下ろされた。イタリア人よ、あなた達は本当に壁に麺を張り付かせているのかい?


当初の予想図(注:やらせ写真です)

どうにも諦めきれず、つい手で壁に張り付けてしまったほどに未練が残る。こういう写真がたくさん撮れると思っていたのに、ああ、どうしよう。

と、ハタと気が付いたことがあった。もしかして失敗の原因はタイルの継ぎ目にあるんじゃないだろうか。これが邪魔をしている可能性は大きい。


ならば大きな板を使うまでよ。

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