煩悩より10個多く
以前書いた記事で、中学生の頃に携帯していた「自作般若心経メモ」のことに触れた。昔から、なぜか般若心経に弱い。どうしても気になる。一目置いている、と言ったほうがいいだろうか。別に宗教とか関係なく、覚えたいという思いがあるのだけど、それがなぜなのかはわからないでいる。そのモヤモヤが、15歳の女生徒に下のようなものを作らせるに至った。
いい機会なので、いっそ消しゴムはんこで般若心経を彫ってしまおう。「写経をはんこ彫り作業で代用し、心の糧に」「そしてたくさん彫っていられる!」・・・一石二鳥も三鳥も稼げる。自分の中ではすごく自然な心の流れで、作成にとりかかった。
はっきり言おう。ここでは書くことがない。ずっと無心に彫っていたからさ。
118個、とにかく彫る。毎日彫る。それだけである。1字1字、写経気分で彫るのみである。
その間に考えたことといったら、色即是空、とかではなくて、「カッターをどの角度で固定して彫るか」「どれだけ早く彫れるか」「ああゴム彫る感触、たまらんなあ」といったことばかりだ。エブリデイ煩悩。
1字につきかかる時間はといえば、簡単な字で約6分、込み入った字で約15分。総計時間は・・・推して知るべし。
日々空いた時間を使って、結局全部終えるのに2週間ほどかかった。これはもう立派に修行といっていいだろう。修行の成果がこちらだ。
うーん、こうやってみると感慨深い。だが、はんこは判を押してなんぼのもんだ。押すか、判。どっこいしょ。
と、写経用紙を買ってきた。さて、押すか、判。どっこいしょ。
少々腰が重いのは、次のページであきらかに。