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フェティッシュの火曜日
 
薬膳ラーメンを食べに…

水戸藩らーめんののぼりを発見

今日の記事のトリは「水戸藩らーめん」です

水戸藩ラーメンというのは、茨城県の名産品らしいのですが、その歴史はなんと江戸時代にさかのぼります。

実は日本で初めてラーメンを食べたのは水戸黄門と呼ばれ親しまれている徳川光圀だと言われているようです。

手元の文献によりますと、光圀が中国の儒学者である朱 舜水(しゅ しゅんすい)を招いたときに、貢ぎ物として食べたのが最初だと言われているそうです。その時のレシピはなんと現代にいたるまで記録されており、つまり、その時光圀が食べたラーメンは現在でも再現可能なのです! これを再現したのが水戸藩らーめんでして、そんな由緒正しき水戸藩らーめんがなぜか東京は三鷹の庶民派中華料理屋「杏苑」で食べられるそうです。そして今、僕はその水戸藩ラーメンをオーダーして、テーブルの上に届くのを今か今かと待ち構えているわけです。

 

これが徳川光圀も食べたとされる水戸藩ラーメンだ!


美味そう!!

江戸時代から伝わるレシピということで、当然「肉」系は御法度かと思いきや、分厚いチャーシューがどーんと入っていました。僕はラーメンに入っているチャーシューに異常とも呼べるぐらいに凝っていますので(参考リンク)、これは嬉しい誤算。一方、そんなチャーシューの上には、身体に良さそうなクコの実(後ろのチャーシューに乗っている赤い実です)、松の実(前のチャーシューの上に乗っている白い実です)が乗っていて、飲む前に酔い止めの薬を飲む上司のような周到さを彷彿とさせるような、“お楽しみ”と“いたわり”が一緒になったラーメンです。


ネギ(青ネギ、白ネギ)、ショウガ、ニンニクをおろしたものが薬味として付きます。
麺の色が茶色いのが見えますか?

水戸光圀はラーメン王国の夢を見るか?

舶来品のラーメンを食べた光圀は、「これはうまい。これは必ずや未来のこの国で国民食としてもてはやされるだろう!」と妄想したかどうかは分からないが、僕はこのラーメンを食べて美味しいと思っているのは確かな事だ。うまい! うまいじゃないか、水戸藩ラーメン。

ちょっと写真では分かりづらいのが残念なのだが、麺も少し違う(写真左下)。茶色いのだ。そばの色合いにちょっと似ている。これがなぜ茶色いかと言うと、麺にレンコンがすり込まれているらしいのだ。ラーメンの麺が黄色いのは、“かんすい”と呼ばれるいわば食品添加物を使っているからだとか言われているのですが、茶色いレンコン麺は胃腸の粘膜を保護したり、疲労を回復させる効果があるようです。

しいたけやメンマなどがふんだんに入っているのも嬉しいですね。

食べ終わったあとは、なんだか血行が良くなったような気がしました。

この水戸藩ラーメンが気に入ったのは、僕がイメージするラーメン感と一致していて、「薬膳」、「ラーメン」双方の要素を多分に満たしたラーメンだったからです。いやー、薬膳ラーメンってこういうことを言うのか。最後の取材でようやく薬膳ラーメンの意味が分かった僕は、納得して帰路についたのでした。

杏苑

東京都三鷹市下連雀7-9-4
0422-45-1948
21時30分ラストオーダ―。22時閉店。
あと、このお店の近くには『コメダコーヒー』もあります。

ごちそうさまでした

薬膳パワーだかどうかは分からないが、非常に楽しく取材ができました。これを書いている現在、非常に元気です。うほー。

ラーメンとは何だろう? ということを考えさせるきっかけとなった今回の取材でしたが、最後の「杏苑」の取材で「薬膳ラーメン」というものがどういうものかをなんとなく理解でき、「これはラーメンなのか?」という悩みから解放されたような気がしました。本日回ったすべてのラーメンが「薬膳ラーメン」であり、かつ「ラーメン」だと思います!

つまるところ、ラーメンが白ご飯だとすれば、薬膳ラーメンは発芽玄米入りご飯ですね。“白飯”じゃないといや! という人も中には多いかと思いますが、食べ慣れてみると結構玄米ご飯もおいしいようです。最初は戸惑うかもしれないけど。

今年は薬膳ラーメンが健康ブームに沿ってもっと流行ればいいな、と個人的には思っています。


 
 
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