ある日、バナナを食べていて思った。バナナってやつは実にいい形をしているな、と。
日本刀のようにするどく、かつ滑らかなフォルム。リンゴやミカンといった、他のずんぐりとしたフルーツたちとは比較にならない美しさがあると思う。
一度意識すると、そのまま食べて捨てるのが惜しく思えてきたバナナの皮。このそそる造形を生かしつつ、何とかリサイクルできまいか?
そうだ、バナナのペンケースを作ればいいんだ。
(榎並 紀行)
食えないならばペンケースにしてしまえ
料理上手な人は、果物や野菜の皮を器にしたりする。当サイトでも吉成さんが以前この記事でやっていた。
普通なら捨ててしまう皮を食べられる器にしてしまう発想はお洒落だし、環境にもやさしい。しかしながらバナナに関しては「バナナの皮は食えない」と以前に古賀さんが言いきっている。
となると、やはりゴミ箱行きかとポリバケツの蓋を開けかけたとき「ペンケースにしてはどうじゃ」という天の声が聞こえた。
半分に切って、中身の果肉を取り除いたバナナの皮に開閉式の留め具を付ける。これだけの作業だから正直すぐ終わると思っていたのだが、意外と苦戦した。
作業の過程でたやすく皮が裂けてしまうのだ。バナナの皮の強度を過信していた。
結局、雀がチュンチュンと鳴きはじめるころまで没頭しても、上手くできなかった。これまでの人生における徹夜のなかで最も無駄な頑張りだったと思う。
先に進まないので、裂けた部分はガムテープで補強します。