ぶら下がり演奏法
この惨状をなんとかするには、2つの改善が必要だ。
1.楽器がどこかにいかないように、固定すること。
2.楽器を適度に動かして、箸が引っかからないようにすること(ひっかかったままシリンダーを回し続けると、箸に力がかかって抜ける)
一見、矛盾する2つの項目だけれども、新型オルゴールの完成にはこれらの両立が必要なのだ。
そこで考えたのがこんな装置。
ぶらさげます
なんだろうこの見た目の珍発明感。いや珍発明といわれても、否定できる材料はないので間違ってはない。でもここまで全身で「珍発明!」って主張する必要があるだろうか。
見た目はさておき、これなら箸が引っかかっても楽器は柔軟によけてくれるし、重力ですぐ定位置に戻るので、どこかに行ってしまうこともない。大きく前進したぞ。
リズムを組もう
装置はできた。また失敗してると恐いから、鳴らすのは後回しだ。次は、EXCELでドラムのリズムパターンを組んでいく。
あまり細かいリズムや複雑なパターンはどうせ失敗しそうなので、できる限りシンプルなリズムにした。左のリズムパターン、シンセサイザーで鳴らすと、こんな感じだ。
これをオルゴール上に再現すべく、ピンを立てていく。
1周=16拍(4小節)になるように、目盛りをつけていく
音のある部分に1本1本ピン立て
スポンジに割り箸をズポッと差し込む感触が、なんともいえずおもしろい。1本差し込むごとにどんどんトゲトゲしたビジュアルになっていくのも楽しくて、あっというまにリズムパートができあがってしまった。
ドラム部分が完成
メロディ部分の組み立てがまだだが、なんだかうまくいっていそうで、一刻も早く鳴らしてみたくなってきた。鳴らしてみよう。
…。
なんと言えばいいのだろう。料理の音、あるいは洗い物の音。ガスや水の音がしないが、どこからどう聞いてもキッチンの音だ。キッチンで、なにか作業をしている音。あるいは、耳障りな風鈴。いずれにしろ、人間がコントロールして出している音とは思えない。「物音」だ。
単音を録音して、本当に鳴るはずだった音を組み立ててみた。そもそも鳴るはずだったのはこんな音だ。
ウーン、ウーン。