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ひらめきの月曜日
 
タライを背負ったら亀になれた

●マイ甲羅



でかけたホームセンターではこのあたりが最大クラス。たしかにでかい。家にはぜんぜん必要ない。だが、亀になる場合にはこれで充分なのかという不安がぬぐえない。


身は守れるか


最初は丸型がよいと考えていたのだが、人間の体型からして長方形のほうが甲羅としては合っている気がしてくる。


底の模様も甲羅っぽい


これがこの店で最大のタライだ。容量120リットルとある。いったいぼくは何リットルなのか。
用途として、野菜洗い、ペットのお風呂にも。と書いてあり、「人の甲羅にも」とは、どこにも記載がない。よかった。記載してあったら企画にならないところだった。
とにかく試着して決めることにした。


これで


こう


きーめた


納得である。これならいけそうだ。

 

●はやく着てみたい

支払いを済ませ出口へ向かう途中に、休憩コーナーなるスペースがあるのをみつけた。


ご自由にどうぞ


はやく甲羅を身につけたいと思っていたぼくは、ここで簡単に細工をして、さっそくタライを背負ってみることにした。


店の片隅でおもむろに


背負うため、タライの縁にある穴にゴムを通して腕を入れられるようにする。
作業は手早くだ。みんなの休憩スペースが、一匹の亀のために近寄りがたい場所になってしまってはいけない。


形容しがたい表情


人類が手に入れたはじめての甲羅。もちろん戸惑いもあろう。こういう表情になっても無理はないと思う。
そうしてぼくは、進化の大きな一歩を踏みだした。


ホームセンターに入っていった人類が


亀として店をでる


今日人類は、はじめて木星についたってよ!
32歳、ごきげんな土曜の昼下がりである。


風、つよ


●もっと亀らしく

ホームセンターでテスト的に甲羅をつけてみたが、所詮これは遊び程度のものに過ぎない。帰宅した後に、装着感の向上を検討する。
これについては、左右のゴムの間をマジックテープのバンドで結ぶことにより、完全に両手フリーな状態で甲羅を背負うことができるようになった。


機動性が飛躍的に向上


あとはぼく自身がどこまで亀になりきれるか、メンタル面にかかっている。その夜は、「俺あした亀になるんだな」という興奮というか憂鬱というか、とにかくあまりよく眠れなかった。なにか新しいことをはじめようとするとき、人は少しだけ震えてしまうものなのだ。そして翌朝、


あ、どうも亀です


 

 
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