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土曜ワイド工場
 
エクストリームウォッシングに挑戦
忍者デハナイデース!洗者デース!


エクストリームアイロニングという競技があります。高い山の上や海の中など過酷な環境でアイロンがけを行う競技。本サイトでも安藤さんが挑んでいます。大自然の中でのアイロンがけ。とても気持ちが良さそうで是非一度やってみたいと思っていました。

けど、アイロンがけの他にも外でやったら気持ちがいい家事があるのではないか。例えば洗濯。眩しい日差しに照らされ風に揺れる白い洗濯物。まるで洗剤のCMのようなその風景を思い浮かべただけで気持ち良さそうな予感がします。これは是非やらなくては。

ということで、山の頂上まで走り、汗で濡れたウェアを洗濯してきました。

吉成



まだやっている人は少ないようです

今回はエクストリームアイロニングならぬ、エクストリームウォッシングに挑んでみます。やり方は洗濯に必要な洗面器、洗濯板、洗剤、水をザックに詰めて山の頂上まで走る。そして、頂上で着ていたウェアを洗って乾かせば終了です。まずは装備を準備します。


洗面器、洗濯板、重曹、水、漏斗。これだけあれば何処でも洗濯可能。

水は洗い用、すすぎ用で合わせて4リットル用意。洗剤は環境配慮で重曹を使います。激しい汚れでなければこれで大丈夫。漏斗は洗濯後の水をまたペットボトルに入れて持ち帰る際に使います。汚れた水を山には捨ててはいけません。全部持ち帰り。


以前山岳レースに出た時に使用したザック。結構入ります。

ザックには洗濯の装備以外に着替え、補給用の食料や水、撮影用の三脚などを入れます。


背負って走るにはかなりの重さ

ザックの重さは10kg近くになってしまいました。走る際に背負うにはかなりの重さですが、洗濯する為にはしかたがない。

ちなみに、「エクストリーム ウォッシング」「extreme washingu」などのキーワードを使ってネットで検索してみたところ、海で洗濯を行っている人が見つかった程度で、まだほとんど行われていないようです。今のうちに極めればエクストリームウォッシングの第一人者と言われるか?

 

今回の舞台は奥多摩


奥多摩の山は直ぐそこ

 早朝、洗濯道具の装備が入ったザックを背負い電車に乗ること約1時間半。武蔵五日市駅までやってきました。ここで撮影と一緒に走る事をお願いした友人と合流して11kmほど先の日の出山山頂を目指します。

最近はマラソンブームで皇居の外周を走る人が増えているそうですが、山道を走るトレイルランもはやり始めているようです。以前来たときよりも走る準備をしている人を駅で多数見かける。

もっとも、私のような大荷物を持っている人はいません。仮に荷物を背負うとしても簡単な補給食や着替え程度までが通常のトレイルラン。洗面器や洗濯板を持って走る人はいないはず。当然山頂で洗濯する人もいないでしょう。


山はいつもやさしく迎えてくれます

 武蔵五日市駅を出発して10分程度で登山道に入ります。日の出山を目指すルートは2つあって、一つはこの五日市方面から。もう一つは反対側の御岳山側から。御岳山にロープウェーがあって距離も短いのでそちらを選ぶ登山者が多いです。


かなり登ってきました

 ちなみに、日本山岳耐久レースという24時間以内に奥多摩の山を71kmほど進むレースが有ります。今回選んだコースはそのラスト11kmぐらいのところ。以前参加した時には明け方の朦朧とした頭でこの部分を通過。良く覚えていないのですが比較的楽なルートだったはず。1時間半から2時間も走れば到着するでしょう。


野を走り・・

林を駆け抜け・・

傾斜を駆け登り・・

エクストリームウォッシング先駆者の残した洗濯用バケツか?

最後の急傾斜を登れば・・・

日の出山山頂に到着

 途中2度ほど休憩を挟み、約2時間ほどで日の出山山頂に到着。いよいよ洗濯開始です。

 

洗濯開始!

ザックから洗濯道具をだして手ごろな切り株の上にセット。汗ばんだウエアを脱いで洗濯していきます。帰り道はすっきりしたウェアで走れます。


洗濯するのに丁度良い切り株発見

洗濯するぞー!

まずはウェアを脱ぐ。ちょっと寒いな。

水を投入。輝いてます。

重曹を投入

準備完了。いよいよ洗濯開始です。すっきり洗い上げましょう。


洗濯中

 この日は昨夜までの雨があがり、澄んだ爽やかな風が吹くとても気持ちの良い日。3月初旬でまだ空気は冷たいものの、眩しい日差しで比較的暖かく感じる。洗濯の水しぶきも気持ちよく感じます。なんか楽しくなってきました。

さあ、洗ったら次はすすぎです。まずは水を入れ替え。


汚れた水をその辺に捨ててはいけません。ちゃんと持ち帰りましょう。

お次はそこの岩場ですすぐか

すすぎ中

すすぎ完了!

 岩場は不安定でより崖っぷちで洗濯しているドキドキ感が味わえます。これは楽しい!
洗い終わったら続いて脱水です。


脱水中。遠心力で水を飛ばす

洗い上がり爽快!

 綺麗に洗いあがり白さがアップ!太陽の光が透ける白い洗濯物は見ているだけで気持ちがいい。脱水後は干しましょう。


寒いな・・・

 初めてのエクストリームウォッシング体験。予想以上に爽快で楽しい!これはクセになりそうです。抜ける青空が気持ちがいい!澄んだ空気が気持ちいい!水の冷たさも気持ちよい!走って疲れた体に新たな力が沸いてくる爽快感があります。

しかし、一つ問題があります。乾くまで時間がかかる。一応乾燥の速いウェアなんですが、そう簡単には乾きません。着替えが必要です。風邪ひきます。

 

ちょっと難易度を上げてみよう

つづいて洗濯の難易度を上げてみたいと思います。なかなか楽しいエクストリームウォッシングですが、イマイチ動きがありません。水を持ったまま動き回れないのでエクストリームアイロニングほど動けないのはしかたがないでしょう。水を持って動けないならば自分の方が水に対して難しい角度でアプローチしてみることにしました。

山頂から少し下り木の多い場所に移動します。ぶら下がるのに良さそうなちょうどいい高さの木の枝を捜し洗面器を枝の下にセット。再び洗濯を開始します。


足の甲を木の枝にかけて手を離すと・・・

両足かけ逆さ洗濯!

 忍者のように両足の甲を枝にひっかけて逆さにぶら下がり洗濯をしてみました。30秒ぐらいしか足首がもたないのですばやく洗濯を終了します。

見慣れない視点で洗濯物を見るという違和感に合わせて足が離れて落ちたら水に頭を突っ込んでしまうという緊張感。洗濯物が綺麗になるとかならないとか一瞬どうでもよくなります。洗濯の本質から離れていますがこれはこれで楽しい!

洗濯したものは乾かさないといけません。枝にかけて干すことにしました。せっかくなので洗濯物の気分を知るため自分も一緒にぶら下がって風に揺られてみました。


もう一度足をかけて・・・

風に揺られてユーラ、ユラ

エクストリームウォッシングは楽しい!

エクストリームウォッシングは予想以上に楽しいスポーツでした。山を走るだけでも楽しいのに、そこに新たな楽しさが加わった気分です。恐らく共感してもらえる人は少ないでしょう。けど、もしやってみたいと思った方がいましたら迷わず挑んでみてください。

海でも山でもどこでもいい。晴れた日に外で洗濯をすると気持ちがいいです。別に走らなくても構いません。着ている服をわざわざ脱いで洗う必要もありません。洗面器、洗濯板、4リットルほどの水と洗剤があればどこでも洗濯場所に早変わり。服の汚れも日々の様々なモヤモヤも綺麗に洗い流せるでしょう。多分。

日の出山は登山者にも人気の山。山頂にはギャラリーも沢山いました。けど、構わず脱いで洗濯しています。

 
 
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