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はっけんの水曜日
 
石芋はうまい

こういう荒れた土地に生えているそうです。

石芋という芋があります。サトイモ科に属するこの芋は学名をColocasia esculenta lapisimo(コロカシア エスクレンタ ラピスイモ)といい、非常に硬い皮に包まれ、まるで石のような外観をしています。食べることが可能な芋なのですが、皮があまりにも硬く包丁では剥くことが出来ないため食べられることはほとんどありません。

ところが、この石芋。かなり美味しいらしい。しかも、そこらへんの荒地に自生していて簡単に入手可能なようです。これは入手して食べてみなくては。

吉成



入手成功

図鑑で石芋の形状を確認して探し回っているとそれらしい草を発見。早速掘り返してみると石芋と思われるものが出てきました。


石芋発見。本当に芋か?

 図鑑には石のような外観と書かれていましたが、持ってみると本当に石のようです。硬さも石と変わらない。これが本当に美味しいのか疑問。とりあえず調理してみます。まずはこの硬い皮を剥かなければいけないのですが、これが大変な作業。


芋洗いとはまさにこのこと

 ボールに石芋と水を入れてスリコギでひたすら混ぜ合わせる。ボールの中で石芋がぶつかり合ってガチャガチャと音を立てます。こうして擦り合わせることにより徐々に皮が剥けてきます。

混ぜ合わせること1時間以上。腕が疲れたころにやっと皮が剥けて中身が出てきました。


表面にはヌメリあり。皮が剥けると石ほど硬くない。

 皮が剥けると中から白い実が出てきました。ヌメリがあって硬さは感じません。これなら食べれそうな感じがします。ここまでくれば包丁で調理が出来るので形を整え一度水から煮ます。


目を離すと吹きこぼれるので注意

 煮えたら水で洗いヌメリをとります。続いて鰹ダシ、醤油、酒、ミリン、砂糖、生姜で煮ます。


煮崩れないように注意

 味がよくしみるように煮立ったら火を止め、温度が下がったら再び煮立たせること数回。石芋の煮物ができあがりました。


石のような外観からは想像できない出来上がり

 香りはサトイモ科の芋だけにサトイモに似ています。石の香りはない。色もサトイモを煮たときによく似ています。あの石のような外観からこのような状態になるとは想像もつきませんでした。


あんな石みたいな芋が本当にうまいのか?

 味の方はどうでしょうか?箸をつけるとネットリと柔らかく、触ったときの石のような硬さは全く感じられない。そして食べてみると・・・


うまい!

 柔らかい粘りのある食感と、野趣あふれるイモの甘み。とてもうまい!あの石のような姿からは想像できないうまさ!

是非食べてみてください

石芋は皮を剥くのが非常に面倒ですがとてもうまい芋でした。剥いた物が売っていれば買いたいのですが、皮を剥いた物は劣化が極端に早く流通させることが難しいのだとか。自分で採取して調理するしかないようです。かなり大変な作業ですが是非食べてみてください。ただ、本物の石と間違えやすいので採取には注意が必要です。

石芋の煮物は日本酒によく合う

この記事はエイプリルフール企画のために作ったうその記事です

 

 
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