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はっけんの水曜日
 
突撃!スライディングタックル発祥の地

サッカー界を根底で支えてきました。

サッカーで相手の持つボールを奪うために用いるスライディングタックル。実はこの技の発祥の地が日本にあるのだという。

近代サッカーのターニングポイントともいえる事件を生んだその場所へ、向かった。

(text by 安藤 昌教



スライディングタックルとその歴史

サッカーの起源は古く、足でボールを蹴るスポーツは古代エジプトでも親しまれていたとされる。競技サッカーとしての基本ルールは中世のイングランドでほぼ現在と同じような形にまで整備された。

しかしスライディングタックルだけは別だ。

スライディングタックルの歴史は1960年代から忽然と始まる。ボンカレー発売とほぼ同時期に発案されたこの一撃必殺の技により、競技としてのサッカーは飛躍的に進歩したのだ。

それまでボールを奪う時には相手の前に立ちふさがる、いわばネガティブアプローチが王道だった。その常識を覆すスライディングタックルというポジティブアプローチの登場に、世界中のサッカー好きがが脅威した。

この技の発祥の地がなんと日本にあるのだという。


すごく近くにあった

今回はこれまで伝説とされてきたスライディングタックル発祥の地に足を踏み入れることが出来た。日本サッカー協会ですらその存在を否定し続けていたのだが、なんと僕のアパートの大家のおばあちゃんが当時のことを覚えていたのだ。聞くとそれはいとも近所にあるのだという。

そういえば僕の家の近くにはやたらとサッカーボールが置かれているな、と思っていたのだ。

ごく普通の街なのだが。  
そういえば横断歩道にかけられた袋には。 たいていサッカーボールが入っているよね。

これまであまり気にしたことがなかったのだが、そういえば近所の横断歩道には決まってサッカーボールがかけられているし、境界となる指標もほぼサッカーボール型をしている。

なるほど、これらは静かにこの地でスライディングタックルが発祥したことを主張していたのか。

これで「サッカー界」と読むということも恥ずかしながら今回知りました。  

当時この発祥の地には世界中からサッカー関係者が詣でに訪れたのだという。その経済効果たるや圧倒的で、ピーク時には局所的にタックルインフレーション(子供がみんなタックルしかしなくなる経済現象)が巻き起こったのだとか。これにちなんだ地名が今でも周辺に多く見られることからも当時の熱狂ぶりがうかがえる。

この坂は地元では「マラドーナ坂」と呼ばれている。  

その過熱ぶりが仇になった

しかしあまりのフィーバーに呆れた地元自治体が、さまざまな対策を講じた結果(各所に滑り止めを設置するなどした)、今ではスライディングタックル発祥の地は静かにその原型をとどめるのみとなってしまった。人間はおろかだ。


今では立ち入り禁止とされています。

今回、大家のおばあちゃんの許可を頂き、特別に発祥の地の碑を見せていただけることになった。

それが下の写真だ。


はっきりいって超貴重。


100万人のタックルを受けた石

これがスライディングタックル発祥の碑。かつて高さ12メートル、幅5メートルと、南関東一をほこっていたこの碑も、並々ならぬ数のスライディングタックルを受けて(当時はそうすることで御利益が得られると考えられていた)、今では見る影もない。

その石はひっそりと余生を送る。  

敷地内のご神木にはやはりサッカーボールが供えられていた。今でも信仰の対象となっていることがわかる。


もはや神の領域。

スライディングタックル最高

スライディングタックル発祥の地は本当に存在した。

僕が写真を撮っていると坂の上からものすごい砂煙を上げながら少年たちがスライディングタックルで滑り降りてくるところだった。こうして伝説は語り継がれていくのだな、と涙ながらに思った。

 

この記事はエイプリルフール企画のために作ったうその記事です

 

 

 
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