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ロマンの木曜日
 
すり身のフライをフィッシュカツと呼ぶ地域がある

いやいや、これが大変なんです

前のページで「完成」と書いてしまったが、最後の工程が残っているそうだ。
「これでできあがりなんですね」と社長さんにきいたところ、
「いやいや、揚げたてを一つ一つ並べて油を落とす作業が大変なんです。ぜんぶ手作業ですから。」
とその工程を見せてくれた。


扇風機であら熱をとり
油を切る

どんどん増産中

工場では、1時間に1300枚のフィッシュカツが製造でき、1日に
1万枚以上出荷することもある。
最近では、フィッシュカツ人気が大阪にも飛び火し、大阪の一部のスーパーでも取り扱いをはじめたことから、出荷量がどんどん伸びているということだ。


出荷を待つフィッシュカツ

フィッシュカツの歴史

フィッシュカツが生まれたのは、先々代の社長さんが50年ほど前に、「少しでも安くておいしい物を作りたい」と思ったのがきっかけだったそうだ。
衣を付けて揚げることにより、白身ではない、味はよくて価格も安い魚を使っても色が見えないので、見栄えが悪くならないというのが大きな理由らしい。
今ではすっかり徳島を代表する味になり、帰省した人がひと箱単位で購入してゆくそうだ。


社長さん、ありがとうございました

いただいちゃいました

実は工場を見学させてもらった時点で、僕はフィッシュカツをまだ食べていなかった。
どんな味なのか知らずに見学していたのだが、工程を見ているととてもおいしそうで、社長さんに思わず、「いいにおいですね、まだ食べたことないんですよ」とおねだりしてしまった。
それを聞いた工場の方が、できたてを僕に持ってきてくれた。


あつあつです

遠慮なくいただきます

あつあつのできたてを手に工場を後にして、冷めてしまわないうちにとすぐ近くの公園でさっそく試食させてもらった。
包みを開くとカレーと香ばしい衣のにおいがただよった。
これはうまそうだ。


あち、あち
むほー


うまいっす

徳島の人たちはこれをごはんのおかずにするらしい。
食べてみるまでは、もっと駄菓子的な味を想像していたので「これをおかずに…」と思っていたが、一口食べてすべてを理解した。
「すいません、ごはんください。」
近所の家にそういって入りたいほど、ごはんに合う味だ。
カレーの味とピリッとしたとうがらしが効いている。
もちろん、
「すいません、ビールください。」
というセリフもぴったりくる。
どうせなら両方欲しい。
こちらではソースやしょう油をかけて食べるそうだが、そうするといっそうごはんに合うにちがいない。


肉厚で、ちゃんとおかずです


東京でも食べたい

フィッシュカツをいつでも食べられるなんて、徳島の人がうらやましい。
この取材のあとおとなりの香川県で、本場の讃岐うどんを数軒で食べた。
もちろんそれもおいしかったのだけど、いままた食べたいのはフィッシュカツだ。
僕の中で四国といえばフィッシュカツというイメージができあがった。
帰りの空港で、違う会社のフィッシュカツを買ったのだけれど、それもおいしかったので、フィッシュカツはうまいということに間違いはない。
また食べたいので、なにか徳島のネタを探して、行く理由をつくらなければ。

もっと買ってくればよかった

 


津久司蒲鉾有限会社

https://www.tsukushikamaboko.com/
(音が出ます)

 
 
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