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フェティッシュの火曜日
 
ヤクルトっぽいもの飲み比べ
ヤクルト

ヤクルトが好きだ。

子どもの頃、大人になったらヤクルトをたくさん飲んでやろうと思った人も居るかもしれないが、僕もその一人で、たくさんは飲めないものの、元々腸の調子がよくない僕はわりと重宝している。

ところが、ヤクルトは意外に高い。近所の百円均一かどこかで、類似品で安いものがあったので、そちらを飲んでみると、味はヤクルトそのものなのだが、どうも腸がいつものヤクルトじゃないと言っているようなのだ。

同じように見えるヤクルトっぽいものたちの中身はどうなっているのだろう。調べてみた。

(text by 梅田カズヒコ


ヤクルトっぽいものたち


我が家に集いしヤクルトたち

こうやって並べてみると、本当に僕らは適当に商品を選んでいる気がする。いろんなヤクルトの仲間達があって、全部見たことがあって、ほとんど飲んだこともある気がするのだが、その違いについて僕はうまく答えられない。

みんなよく顔は知ってるけど、中身はよく知らない。隣の部署の人みたい。


ヤクルトの印象的な容器は実は商標を取得している、という噂を聞いたことがあるが、調べると実はヤクルト側は商標申請したけど受理されなかった模様です。(外部リンク
グラスに移す。知ってはいたけど、こうやってまじまじ見ると、ヤクルトの内容物って少ないですよね。

1.ヤクルト(ヤクルト)

ヤクルト(ヤクルト)となっているが誤植ではない。前半のヤクルトが商品名であり、後半の括弧ヤクルトが社名を表しております。以降、このルールで紹介していきます。

ビートルズの音楽やディズニーの映画など、それまでの歴史とまったく違う新しいものを作る人はすごいと思う。ビートルズっぽい音楽、ディズニーっぽい映画、手塚治虫の漫画、マイケル・ジャクソンの楽曲…。たとえを挙げればきりがないが、ヤクルトもその中の一つだと僕は思う。

ヤクルトより前にヤクルトっぽいものなし。そして以降登場する多くの商品達は『ヤクルトっぽいもの』の内の一つである。

そんなヤクルトの内容物は以下。

ヤクルトの内容物

内容量(1本あたり) 65ml
熱量 50kcal
たんぱく質 0.8g
脂質 0.1g
炭水化物 11.5g
ナトリウム 12mg
薄い肌色、不透明
特筆すべき内容物 L.カゼイ YIT9029(シロタ株)150億個

L.カゼイ YIT9029(シロタ株)という乳酸菌が入っていて、だから腸にいいらしいです。

このオリジナルな菌は、1930年に京都帝国大学(今の京都大学)卒業生の医学博士、代田稔という方が発見され、なんとこの人はヤクルトの創業者でもあるらしい。

 

今やヤクルトに次ぐ第2勢力になりつつあるピルクル。
左がヤクルト、右がピルクル。色はまったく同じ

2.ピルクル(日清ヨーク)

ピルクルは、ヤクルト的なものの代表格と言える商品だろう。おばあちゃんなら『ヤクルト買ってきたよ』と言ってピルクルを渡すこともあるだろうが、多くの日本人はピルクルはピルクルと認識している。一定の知名度を持っている証だ。

しかしヤクルトとの差はどこにあるのかいまいち分からない。(日清ヨークさんすみません、世論を代弁しているだけです。今から調べるから怒らないで!)

ピルクルの内容物

内容量(1本あたり) 65ml
熱量 44kcal
たんぱく質 0.8g
脂質 0.1g
炭水化物 9.8g
ナトリウム 5〜20mg
薄い肌色、不透明(ヤクルトと同じ)
特筆すべき内容物 L.カゼイ NY1301株

というわけで、成分的には、カロリー(熱量)、炭水化物がややヤクルトと比べて少ない。色も見た目も類似しているが、ここに僅かな差異が認められる。味は正直言ってあまり違わない。

 

僕の中では第3勢力、植物性乳酸菌ラブレ
ヤクルトと色を比較。ずいぶん違いますね

3.植物性乳酸菌ラブレ(カゴメ)

今のところ、僕の主観でメジャーな商品から並べているつもりですが、僕の中での第3位はカゴメの植物性乳酸菌ラブレである。(あくまで僕の中で)3位って ことは携帯キャリアで言えばソフトバンク。後発ながら一定の地位を築きつつある商品だろう。というか、この商品をヤクルトっぽい、というくくりに入れるかどうか異論があるだろうが。

植物性乳酸菌ラブレの内容物

内容量(1本あたり) 35ml
熱量 35kcal
たんぱく質 0.6g
脂質 0.1g
炭水化物 8g
ナトリウム 14mg
白、不透明
特筆すべき内容物 りんご果汁、にんじんエキス、乳製品、ジンジャーなど

ズバリ、カゴメが打ち出したコンセプトは植物性由来、天然モノですよ、という点であろうか。先ほどのなんちゃら株は出てこないが、代わりにりんご果汁、にんじんエキスなど様々な天然由来のものが入っている。色も白い。

あと、容器が何のひねりもない牛乳瓶型で、潔さを感じる。

 

ヤクルト300V。
なんと、300Vのほうが若干薄いんですよ! 知ってた?

4.ヤクルト300V(ヤクルト)

さて、お次はヤクルト300Vです。ヤクルトという名称のあとに車やバイクみたいに数字が入って、さらにご丁寧にVとまで書いてあります。文字から受ける印象だけ捉えれば、第三京浜を全速力でかけぬけるバイクのように、お腹に菌が直行する感じでしょうか。

いったい何を持ってして300なのか。内容物を見ていきたい。

ヤクルト300Vの内容物

内容量(1本あたり) 80ml
熱量 57kcal
たんぱく質 1g
脂質 0.1g
炭水化物 13.9g
ナトリウム 18mg
薄い肌色、不透明(通常のヤクルトより少しだけ薄い)
特筆すべき内容物 L.カゼイ YIT9029(シロタ株)300億個

結論。300とは、シロタ株が300億個入っているという意味のようです。なお、ヤクルトの製品で数字がついているのはこのL.カゼイ菌の含有量を意味するのだとか。

で、特筆すべきは色 なんです。通常のヤクルトと変わらないだろう、と高をくくっていたのですが、なんと300Vのほうが色が薄い。どういうわけだか、菌が多いと色が薄い。僕 はてっきり、ヤクルトがあの色なのは、菌が入っているからと思っていたのですが、違うようです。驚き。菌が入れば入るほど白くなる。

じゃああのヤクルトの独特の色は何なのか。ということで調べたところ、こんな記事を発見しました。メイラード反応と呼ばれる反応で、脱脂粉乳とアミノ酸とかがどうにかなって(←説明が面倒くさくなった)、あの色になるようです。ふーん、知らなかった。


後半戦、いってみよう

ヤクルトのパッケージって文字がゆがんでいるね。



 

 
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