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ひらめきの月曜日
 
豆製品、まとめて食べるとウマイらしい


まずは豆乳、おから、油揚げ、豆腐をスタンバイ。

  「豆製品は、他の豆製品と一緒に食べるとおいしさが倍増する」という話を聞いたことがある。

一瞬「ほう?」と色めき立つが、考えてみたら私たちは普段から冷や奴や豆腐の味噌汁などで、知らず知らずのうちにそれを実践している。なんたって、豆腐も醤油も味噌も大豆が主原料なのだ。

炙った油揚げに醤油をジュッとかけて食べるのも、たまらんものがある。うん、ありゃたまらないですよね。豆+焦げ目+油だもの。無敵じゃないか。

いちいち検証するまでもない話かもしれないが、豆製品は他にもある。単に試してないだけで、未知なる魅惑の組み合わせがあるのでは…と思い、あれこれ試してみました。

高瀬 克子



全部入れればいい話だろ?

用意したのは、スーパーで手軽に入手できる4つの大豆製品および、味噌と醤油だ。


質素な食卓。

冒頭で「未知なる魅惑の組み合わせ」と書いたものの、いちいち「豆腐×油揚げの相性は」とか「豆乳に味噌を溶いて、さらにおからを入れると?」のような、みみっちいことをする気は毛頭ない。

ここは盛大に、用意した大豆製品をドーンと一気にまとめて食べてみようじゃないか。それが結局は「ウマイらしい」という話の検証としては、最短のルートだろうと思うのだ。

でも、全部を鍋に投入したのでは面白くない。せめて見た目だけでも工夫したいのが人情といいますか、記事を書く上での礼儀といいますか…。


油揚げの中に豆腐と、
おからを詰めたら、
楊枝で留めて、醤油を混ぜた豆乳に投入。
さらに味噌を加えたら、こんなことになった。

「見た目だけでも工夫したい」というこちらの希望は、大豆製品たちの「そんなことしたって無駄」と言わんばかりの結束によって見事に打ち砕かれた。

膜(湯葉)が出来そうになるたびに掻き混ぜ、固まらないようにしていたら、豆乳が卵のようにフワフワのドロドロになってしまったのだ。

ちなみに今回、ダシの類は一切使用していない。大豆本来の味と、味噌と醤油だけでのシンプルな勝負だけに、まとめて食べることの意義も自ずと浮かび上がろう。


ま、肝心なのは味ですよね。

「むむ!」という味だった。こりゃあいい。

固まった豆乳が餡のようにねっとりと油揚げに絡みつき、醤油と味噌の濃い味が油揚げにジュワーッと染み込んでいる。この上なくシンプルだが、味わいが深い。

「ここにネギでも入れたなら、さらにうま味が増すんだろうか…」と冷蔵庫の中を覗いた私の目に「冗談じゃねーよ!」とでも言いたげな物が飛び込んできた。


あ。

すっかり忘れていた。大豆製品といえば、まずは納豆だろう。「忘れてんじゃねーよ!」と声を荒げる納豆に「ごめんごめん」と謝りながら封を切る。

しかし、心の中では皿の中の豆腐たちにも謝っていた。みんな普段は主張しない連中なのだ。地味な存在ではあるが、腐りもせず、平和にやってきたのだ。一致団結して手を取り合った末に生み出されたのが滋味深い味わいのこの一品だったのに、腐った挙げ句に糸まで引いている納豆が「オレも入れろ!」と暴れまくっている。

ワルで有名な転校生を受け入れる学級担任のような気分で、納豆を入れてみた。


「ごめんねー、みんな仲良くしてねー」と言いながら、
よーく混ぜました。

このクラスは納豆の支配下に置かれるのではないか。担任である私の言うことなんて、みんな聞かなくなるんじゃないか…。そんな心配しながら納豆を加えた全員を口に入れた瞬間「ああ!」と思った。

心配が杞憂に変わる瞬間というものがあるとすれば今だ。「子どもの世界に大人が口を出すもんじゃない」とでも言いたくなるような、つまり、それはそれはおいしい物が出来てしまったのだ。


「先生うれしい! みんなありがとう!」

納豆、こいつはすごい。物静かだった他の連中さえも、納豆に引きずられて急にイキイキとし出したかのように思える味だった。

味わいがさらに深まったばかりではなく、なんというか、とても立体的になった。これが発酵の持つ力なのか。

納豆特有の匂いや粘りが減少し、さっきまでの暴君ぶりも影を潜めた。まるで、遠くの私立に通ってグレた納豆が「おれ、やっぱり地元の学校でみんなと一緒にいたい」とでも言っているかのような味だった。泣ける。

 

もっと他にないか

納豆まで含めた大豆製品を一緒に食べるとおいしい、というのは、もう分かり過ぎるほどに分かった。

となると、私の残された課題は「見た目を魅力的にできないか」ということになる。


それぞれを混ぜたら、
気がつくとボール状に。

なんのアイデアもなく全部を混ぜていたら、手が自然に「おにぎりを握る仕草」をしていた。

…これだ。


これは見た目もかわいいんじゃないか?

さっそく、これに味を付けてみよう。


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