「いぶし銀」への道 その2 「硫黄泉によるいぶし」
実は銀のスプーンは3本ある。残り2本もいぶしていこうと思うが、次は違ったアプローチでいきたい。
ということで、やってきたのは有名温泉地・箱根。みなさんは温泉旅行の後、指輪やアクセサリーが変色しちゃったなんて経験はないでしょうか?
銀が黒く変色するのは、空気中の硫化ガス(硫黄ガス)などと化学反応(硫化反応)を起こすことが原因。銀を身につけたまま硫黄の温泉などに浸かったときも同様で、急激な硫化反応が起こり、黒ずむ。つまり、いぶしがかったような状態になる(以上[wikipedia他]参考)
つまり硫黄泉に浸かれば、スプーンをてっとり早くいぶし銀にできるってわけだ。
硫黄泉といえば草津が有名だが、ここ箱根にも草津に匹敵するといわれる硫黄の名湯がある。芦の湯温泉だ。
銀のスプーンと、家にあった銅製の三角コーナーを携えて風呂へ。銅も硫黄に反応すると聞いたので一応持ってきたのだ。
さすがにお湯にこれらを浸けるのはマナー違反なので、浴槽の縁に置いて、立ち昇る硫黄の水蒸気で2時間ほどいぶしをかけた。そしてその間僕は、硫黄の香り漂う自家厳選の湯を堪能。
硫黄泉だからぴりぴりするかと思ったが、逆になめらかな湯で温度もぬるめなのでずっと浸かっていられる。湿疹の症状も幾分は改善したことだろう。
期待以上にいい湯だった。この日朝から悩まされていた頭痛も治って気分爽快。やっぱ温泉は最高だ。
…そうだ、スプーンだった。さてどうなった。
何だかおどろおどろしい風合いだ。変色したのは一部分で、しかもどす黒い。友達の家で紅茶をお呼ばれしたときにこんなスプーン出てきたらショックだ。あ、おれ嫌われてたんだな。
ちなみに銅は全く変化なしでした。