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ひらめきの月曜日
 
揚げておいしいスナック菓子はどれだ

何を揚げるのか問題

さて、衣として活躍するからには当然主役が必要だ。スナック菓子の味の違いがよく分かるような、できれば淡泊な素材がいい。

いくら好きとは言え、豚や牛じゃダメだ。個性が強すぎて衣が脇に回ってしまう。そもそも彼らにスナック菓子は似合わない。「オレを誰だと思ってやがる」とヘソを曲げてしまう可能性もあるだけに厄介だ。

となれば、ここら辺が手の打ちどころだと思うのだが、如何なものだろうか。


主役は鶏のささみに決定。鶏はどんなことをしても笑って許してくれる包容力がありそうだ。
半分に切ったら薄く削いで、粉をまぶしておきます。

卵液にくぐらせたら、そこに用意した衣をまぶし、
よーく擦り込んだら完成。これはうまい棒ですな。

この調子で10種類分を一気に作った。通常使用するパン粉との違いを挙げるとすれば、この時点で手が油まみれになることくらいだろうか。

それ以外は、普通のフライとなんら変わらない作業工程である。ちなみに、衣の味を引き立てるため塩コショウなどの下味は一切付けないことにした。


勢揃い。なにやら、ものすごく豪華に見えてきました。

特に順番など気にせず、じゃんじゃん揚げ続けた。


はい、揚がりました。縮んだなぁ。

心配していた衣の剥離はほとんど起こらず、大量に付着したまま揚がってくれて安心した。薄い肉を使ったことで揚げ時間も短縮でき、衣にそれほど色が着かずに済んだのも良かった。

どれも「変わったフライだなぁ」程度の見た目である。「あ、これって歌舞伎揚げでしょう」などと気付かれる可能性はゼロに近い。(ベビースターを除く)

ここまでは順調だぞ。さあ、問題は味だ。条件を同じにするため、ある程度冷めてから食べることにした。


うまい棒サラミ味。サラミ味、強し! 衣のサクサク感はないものの、じゅうぶん食べられます。
歌舞伎揚げ。甘辛い味が残った! 衣がサクサクしてるのも高ポイント。でもフライっぽい味じゃないのが惜しい。
暴君ハバネロ。ダントツのうまさ。ザクザクとした歯応えの衣がたまらない。ピリッとした辛さもそのまま!
柿ピー。うーん、豪華! ナッツとあられの相乗効果で素晴らしい食べ応え。
黒ごませんべい。胡麻の香りと、しっかりと噛み応えのある衣。ここまで合うとは。見た目も渋く好印象。
ベビースターラーメン(チキン)。こちらも素晴らしい歯応え。細かくしすぎなくて正解! 味もおいしい。
かっぱえびせん。揚げたことで塩気が抜けてぼやけた印象に。エビって繊細な素材なんだろうか。
ポテトチップス。ああ、これはまさにポテチだ。ちょっとシナッとしたけど、ちゃんとポテチ(薄味)だ。
ポップコーン。あっさりした味は悪くないものの、衣は噛んだら噛んだっきり。つまりはシナッとしてます。
いかフライ。とりあえず「ブラボー!」と言わせてください。味、衣ともに素晴らしい! 最強のつまみ化。

「これはマズイ」と思う物がひとつもなかったことに驚いている。その多くがそれなりにおいしく、元がお菓子だとは思えないほど立派なフライになった。

特に暴君ハバネロのおいしさときたら、このまま店頭で「新しい味のフライドチキンです」と出されても納得するんじゃないかと思うような味だった。最後に火力を強めたり、二度揚げしたりなどの手間を一切かけてないのに、なんでこうもクリスピーな衣になるんだ?

今日の優勝は誰がなんと言おうと暴君ハバネロに決定です。おめでとう!

次は積極的に作りたい

まさかここまでおいしい物が出来るとは思わなかった。少しくらい「マズイ!」と顔をしかめるような物も混ぜた方が、記事として盛り上がったのではないか…と心配してしまうほど、うまくいってしまい恐縮している。

ハバネロ、柿ピー、黒ごませんべい、ベビースターラーメン、いかフライの5つはパン粉の代用品などではなく、それを目的として作りたいくらいに気に入った。

かと言って「明日から毎日フライだ!」というわけにもいかず、大量に残ったお菓子をどう片付けるかが、目下の課題である。

明日、会社ででも配りますかな。

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