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ひらめきの月曜日
 
今昔ミルクスタンドめぐり

超近代的ビルにもあるミルクスタンド

続いてやってきたのは飯田橋駅近くの「ミルクスタンド溜屋」という店。外観はこんな感じだ。


ソフトクリームのディスプレイとのぼりにも気を取られる

看板にはよく見ると「SINCE 1845」とあり、老舗であるようだが、ザ・ミルクスタンドという感じではない店構え。実際、おにぎりやソフトクリームなども販売しているので、ちょっとした軽食の店のようでもある。


でもこの箱はミルクスタンド的
置いてある牛乳も本格派

それでも、店前脇には牛乳瓶を運ぶあの箱があるなど、ミルクスタンド的な要素も見て取れる。置いてある牛乳は2週類としぼってあるが、どちらも200円以上の価格で高級路線。

今回は「東毛酪農 低温殺菌牛乳」を飲んでみた。さらっとしてるな、というのが第一印象。抽象的な言い方だが、いつも飲んでる牛乳よりも「お乳」っぽいのだ。(この記事で飲んだ牛乳を思い出す味でした)

そしてこの店でおすすめなのは、牛乳以外にもある。


なかなか高級なプリン
そこにソフトクリームがのって30円増し

250円で売っているミルクプリン。そこにソフトクリームをのせたものを「プリンパフェ」として販売しているのだが、これがわずか30円増しの280円。

なんかお得な気がするぞ。これは食べてみたい。


うますぎて表情もつい真剣に
ソフトクリーム食べるスーツ2人組

つい写真を撮り忘れてしまったのだが、実際に購入したプリンパフェは見本の写真よりもたっぷりとソフトクリームがのっていて、さらにお得感アップ。ソフトクリーム部分はよくある安っぽい味ではなく、牛乳に近い自然なタイプのものだと感じた。これはいい。

食べていると、スーツ姿の男性2人が来店。仕事の話をしながらソフトクリームを食べ始めた。

スーツ+ソフトクリーム+ビジネス。高速道路のサービスエリアでもおっさんがソフトクリームを食べる様子をよく見るが、ここではビジネスも絡んでアンバランス性とかっこよさがアップだ。

今回最後に訪れたのは、六本木ヒルズにある「モトヤマミルクバー」だ。ここは昔ながらのミルクスタンドとは外観からしてあからさまに違う。


ウシのディスプレイもインパクト大
なんか一線を画された感じ

色づかいからして最近のおしゃれスポット的な雰囲気をバリバリと漂わせるこの店。牛乳をメインとして提供する店なのに、この記事の最初で紹介した御徒町の店とはずいぶん遠いところにある。

この店はカフェ形式にもなっているのだが、店頭にあるそのメニューを見て驚いた。


東京はおっかないところです

90mlの牛乳が650円とのこと。場所代やバカラのグラス入りというサービスも含めてなのだろうが、一見してびびったというのが正直なところだ。

デートの時にちょっと趣向を変えたお茶スポットとしておもしろいかもしれない。と、精一杯のフォローをしつつも、安心してほしい。この店にはテイクアウト販売もあり、店の前に並べてあるテーブルとイスに座って楽しむこともできるのだ。


パリの街角か(適当)
こっちは安心価格

どうやらこちらでは同じ牛乳をお手頃価格で販売しているようだ。もちろん冷静に見れば結構なお値段なのだが、カフェのメニューを見た後だとほっとできる。


瓶のかっこよさを素直に受け入れられない自分

今回は200mlの「ノンホモジナイズ牛乳」をチョイス。

普通の牛乳は圧力をかけて脂肪を均質化するところ、ノンホモジナイズの牛乳はその処理をしないとのこと。そのため、牛乳本来の風味を味わうことができるらしい。


振ってから飲んでと書いてあるが
わざと振らないで開けてみた

そのためクリームが浮いてくるということが起きるらしい。瓶には「だからよく振ってね」というようなことが書いてあるわけだが、あえて振らずに開けてみた。おお、キャップの裏にねっとりとしたクリームがついている。

まずはこれをなめよう。…さすがにうまいぞ。牛乳のうまさが濃縮されている感じだ。

そういうわけで特別感のある牛乳もおいしいのだが、もう一つこの店にはおすすめポイントがある。


東京にもやさしい人はいるんだ

なんとフランクフルトが100円。六本木ヒルズというマジックに流されることなく、100円であり続けるフランクフルト。字体も太く、色も変えてあって、店側のフランク押しの姿勢が読み取れるのもうれしい。もちろん購入だ。


安定してうまいフランク
フランクかじりながら見上げた風景

牛乳のほんのりとした甘さと、フランクフルトの塩加減。この組み合わせが合わないはずはない。そして見上げたところにある六本木ヒルズ。(個人的に六本木ヒルズは初めて行ったのですが、この建物を見て「乙幡さんが作ったビルだ!」と思いました)

あんまりなじまないようなイメージのものが融合。ちょっとした異次元にいるようで、不思議な気分になれたのも楽しかった。

意外と唯一紙キャップだったヒルズの牛乳

消えゆく風景と言ってもよさそうな、クラシックスタイルのミルクスタンド。それでも現存しているそれらはどこも盛況で、なんとなく安心した。また、かっこいい系の店にもお手頃フランクがあるなど、その懐の深さに親しみを感じることができてよかった。

どんな店で飲んでも、腰に手を当ててカーッと飲む瓶牛乳がおいしいのは共通。いろんな形でこれからもずっとあり続けてほしいと思う。


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