街を歩いているとネットがたくさんあるのに気がつく。まさにネット時代だ。
ゴミ集積所にある、カラスよけのネット。今回はそのネットの収納形態について見ていきたい。
ネットばかり見た一日。これがいわゆるネットサーフィンです。
(大山 顕)
誰でもついマニアになってしまう
先日カルチャーカルチャーでイベントをさせていただいた。会場を飛び出して、カメラ片手に街へ繰り出すという試みだ。
街を歩きながら写真を撮って、最後お台場で発表するというもの。「ひたすらひとつのモノだけ撮る」「好きなもの撮るの禁止」「きれいな写真撮るの禁止」「ネコとか撮っちゃダメ」などのルールを課すと、「ゴミバケツマニア」や「室外機マニア」になってしまう人がでてくる。それが狙いだった。
当然ぼくも撮った。それがこのゴミネットだ。
今回注目したのは、まさにゴミをカラスから守って活躍中のネットではなく、お休み中の状態のもの。
なにが面白いのかというと、網というのは存外扱いが面倒なもので、収納は一苦労。だから、そこに収納者の個性が出る。それが面白い。面白いんだってば。
ネットの置かれたまわりの環境要因とこの収納者の個性とがブレンドされた、香り立つゴミネットの収納形態を見てもらいたい。
まずはオーソドックスな引っかけるタイプだ。
どうだろうか。ゴミ収集ステーションは、柵や塀の横に設置されることが多く、おのずとネット収納もそれを利用する場合が多い。ゴミネット鑑賞においてはもっともスタンダードなスタイルといえるだろう。
一方、この派生形として2つのタイプが存在する。ぶら下がり形と折りたたみ形だ。
柵状部に引っかけるタイプと異なり、ぶら下げるためにはフックを取り付けるなどそれなりの工夫が必要となる場合が多い。こちらのスタイルをとるオーナーさんは、きっときっちりした方が多いのだろう。
一方、引っかけるタイプにもやけにきっちりした一派が存在する。それが折りたたみ系である。
ぼく自身はかなりちゃらんぽらんな性格なため、こういうきっちりとしたタイプには少々コンプレックスがある。のちほど、明らかにぼくがネットを収納したらこのタイプだろうな、というものも出てくるが、それらとよい対照である。
しかし、世の中にはさらにきっちりとした方々がいらっしゃるのだ。
カゴ派
いくらきっちり畳んでも、柵や塀に頼っているようではまだまだということだろうか。しっかりとネット専用収納器具を設置する一派がいらっしゃる。上には上がいる。
隙間に押し込める派
あつかいがめんどくさいネットだが(ぼくはものすごくこういうのめんどくさい派なのです)、さいわいぎゅうと押し込める隙間があればそれで収納解決する素材でもある。そんな環境に恵まれた例を見てみよう。
と、隙間に押し込めるのは、ぼくのようなめんどくさがりやの苦肉の策かとおもいきや、きっちりさんが隙間を利用することもある。次の例を見ていただきたい。
どうだろう。しかし、さらにもっと「きっちり×押し込め」の作品があるのだ。これはびっくりした。
張り紙のガムテープ使いあたりにも、作者のなみなみならぬきっちり具合がうかがえる。あと、右下のマンホールが塀をまたいでいるのが面白い。
流す、巻き付ける、ただ置く