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ひらめきの月曜日
 
コショウはどれを選ぶべきか


ラーメン屋はGABANの天下だ。

子どもの頃の私にとって、コショウと言えば「テーブルコショウ」を意味した。それは何も我が家に限ったことではなく、世間的にも同じだったように思う。

料理番組でも「ここで塩コショウを…」と言いながら、先生はテーブルコショウをパパッと振っていた。それが普通だった。唯一の例外といえば海外の料理番組で、西洋人が粒のコショウをガリガリ挽く姿のあまりの格好良さに「アメリカってすげー!」と惚れ惚れした記憶がある。今から30年近く前の話だ。…うわあ。

そんなコショウの代名詞とも言うべき存在だったテーブルコショウが最近危ない気がする。あまり姿を見かけないのだ。

あれにはあれで、いいところがあったハズだが…。

高瀬 克子



わたしのコショウ遍歴

実家では今でもテーブルコショウを使っていることと思うが、では私が最後にテーブルコショウを買ったのはいつだったろう…と記憶を紐解くうちに「実は買ったことがない」という事実が判明した。

そもそも一人暮らしを始めた頃はカルボナーラ作りに凝っていたせいもあり(黒コショウが欠かせない料理です)、もっぱら黒コショウばかり買っていたんだった。

…そうか。ということは、もう20年以上テーブルコショウを家で使ってなかったのか。


今では電動ミルに粒の黒コショウを入れて、
使うたびにウィーンと挽いております。

ここ数年は電動の素晴らしさに感激しまくり、今では私にとってコショウといえば粗挽きの黒コショウである。

ああ、小学生の頃の私に教えてやりたい。「アンタが憧れてるコショウ挽き、将来はもっとスゴイのが出てるよ。なんと片手で出来るんだよ。で、それを使ってるよ」と。

いやいや、今回は挽きたて黒コショウの素晴らしさを喧伝する企画ではない。主役はテーブルコショウだ。

でも、あの地味な存在を主役に祭り上げ、やたらと持ち上げるのもどうかと思う。ここはあくまで公平に「コショウ食べ比べ」の俎上に乗せる一品目として扱い、冷静に対処したい。

エントリー5品目

では、今回使用するコショウを見ていただこう。


昔はコショウといえばこれだった!
皿に出しただけで鼻腔が刺激されたのが分かる。

ああ、すっかり忘れていた、この「ふわあっ」とした軽さ、そしてどこか爽やかな刺激臭。

そういえば、コントや漫画でくしゃみを出す時は、例外なくこの粉末状のコショウが使われたものだ。もしかして今の子どもたちは、「コショウ=くしゃみ」という図式を理解はしていても、体感してないのかもしれない。

とにかく、考えていた以上にいい香りがしたのには驚いた。「コショウは挽きたてに限る」が持論だったが、ここまで細かくなっていると、逆に香りがしっかり残るものなのかもしれない。


白コショウ。
ご覧の通りの白さ。

実は、買ったはいいが、ほとんど出番のないコショウがコレだ。白っぽい料理に使うといいらしいが、そこまで見た目に拘らないからなぁ…。(なんで買ったのか)

それなのに、今回また増やしてしまった。


白コショウの粒。
この企画が終わったらどうすんだ、これ。

白コショウ(粒)の使い道などありましたら、どなたか教えてください。

一方、同じ粒でも使い道に事欠かないのがコチラ。


しょっちゅう買ってる気がします。
私にとっては宝石に等しい。

その昔、コショウは金と同じ価値だったらしいが「私でも気軽に買える時代で本当に良かった」と思わざるを得ない。

で、この粒を砕くとこうなります。


ウィーーーンとやると、
こういうのが出てくるわけです。粗挽きです。

やっぱり香りがいい。テーブルコショウのように軽すぎないから、いたずらに鼻腔を刺激しないのもいい。
…ハッ、いつの間にか贔屓してました。

とにかく、5種類のコショウが揃った。どうやってそれぞれを食べ比べようかと考えて、まず浮かんだのがコレである。


最初はやはりラーメンからでしょうか。

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