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ひらめきの月曜日
 
コショウはどれを選ぶべきか

それぞれ乗せてみる

今回は、あくまで具なしにこだわった。いや、「具はコショウのみ」と言うべきか。スープと麺とコショウ、これさえあれば十分であり、後は余計というものだろう。


ラーメンをぐるりと囲むコショウの皆さん

ラーメンを5等分しようかとも思ったが、面倒だったので、いちいち小皿に取り分けて食べ比べることにした。


やる気があるのか、ないのか。

では、一気に感想を述べていきますよ。どんどん伸びる麺にも注目です。


●テーブルコショウ

なんだか無性に懐かしい味。それだけでなく、ちゃんとお いしいところが素晴らしい。 しっかりピリッとしている。

●粗挽き黒コショウ

風味の良さはこちらが上か。なんとなくラーメンのグレー ドが上がった気がしないでもない。

●白コショウ

黒に比べると爽やか過ぎる。パンチに欠けるが、サッパリ した味が好きな人にはいいかも。

●黒コショウ(粒)

スープには影響なし(当たり前)。

…そうなのだ。粒の場合、スープと一緒に煮込んだわけではないので、麺と一緒にこの粒を噛まなくてはいかんのだ。


さすがに躊躇します。だって丸ごとコショウをねぇ…。
あらゆる覚悟をしてガリリと噛みました。

で、これが良かった。おいしかった。辛くなかった。

なんたって、いわば自分の口の中で粗挽きにした状態なのだ。フレッシュなのだ。


おお、 これはいいかも…!

すっかり気を良くして、白の粒もガリリと噛む。


●白コショウ(粒)

いやぁ、やっぱりなんか爽やかすぎるんだよねぇ…。

はっきり言って合わない。白コショウの場合、ラーメンのスープが上品になりすぎるんだと思う。もっときちんとした西洋料理に使ったら本領を発揮するコショウだと思った。

ラーメン役の高倉健が「お嬢さん、ここはアンタみたいな人が来る場所じゃねぇですぜ。お帰りください」と白コショウ役の藤純子に言い含めるような、と言えば伝わるだろうか。

とにかく、ラーメンには黒コショウ、もしくはテーブルコショウが最適だと思った。

焼きはどうだ

家ではラーメンよりも、むしろ炒め物などの「焼き」の場面でコショウが使われることが多いのではないだろうか。

というわけで、今回は分かり易く豚肉をソテーすることにした。味付けはシンプルに塩コショウのみである。


それぞれの肉からハミ出ないようにコショウを振ったり、
粒を埋め込んだり。

もういちいち解説しなくても、どれがどれだかお分かりですよね?

これをフライパンでジャッと焼いたら出来上がりだ。なんて手間のかからない料理なんだろうか。


どうしてこうも縮むのか、と毎度悲しくなりつつも完成。

豚肉はどんなにシンプルな料理であっても、しっかりうまいところが素晴らしい。

…と、ガッツガツ食べた。食べてしまった。あろうことか写真がない。何年ここで記事を書いてるのか、と呆れるほどの食べっぷりであった。

つまり、それほど集中していたとも言える。一口噛むごとに「むむっ、これは…」だの「ああ、こっちの方が…」とブツブツ独りごちながら、一生懸命食べていたのだ。

結論 → どれもそれぞれにうまい。

こればっかりは好きずきで。

昔は今ほど香辛料の種類が豊富ではなかったため、胡椒の種類がテーブルコショウだけだった、というのは理解できる。では、種類が増えたからといって「ハイ、さようなら」な存在だったのかと言えば、それは「ノー」であろう。

テーブルコショウは、これはこれでおいしい。本格的な粗挽き胡椒にも負けない立派な香辛料だと思う。なにしろ手軽で相手を選ばないのがいい。でも、こればっかりは好みだ。テーブルコショウの健闘を讃える私ではあるが、これからも粒の黒コショウをガリガリと挽き続けることだろう。ごめん。

ちなみに「チャルメラ」は、中に「木の実スパイス」なる小袋が入っておりまして、その中身はあらびき胡椒でした。チャルメラさんとは気が合いそうです。

一緒に塩の粒も入ってました。

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