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フェティッシュの火曜日
 
昼間でも暗いところに行きたい

暗さを求めて鎌倉・高徳院の大仏へ

照明があり、自然光が入るところは当たり前だけど明るかった。昼間でも暗いところを探すには、自然光が入らず、照明がなさそうなところに行く必要がある。

そこで、思いついたのが、鎌倉の大仏の胎内だ。
この大仏は電気が普及する前の13世紀に作られらたものだ。また、もしその後に電気を引いたとしても、大仏の胎内を根拠こそないが、パチンコ屋のネオンのように明々とさせるとは思えない。また雑誌等で大仏の写真を見る限り、自然光が入る隙間もなさそうなので、昼間でも暗いと思ったわけだ。


ちなみに外は7390ルクス(マウスオーバー)

実物の大仏を見ても、正面に光が入る隙間はなさそうだ。
しかし、大仏の周りをぐるっと一周したら、大仏の背中に窓があることを発見した。いつも雑誌などで見る大仏は正面ばかりで、背中の存在を気にしたことがなかったため、僕は大仏に窓があることを知らなかった。もっとも、窓があったとしても、閉まっていれば胎内に入る光は微弱なものだろうが、僕が行った日は窓は全開だった。

これでは自然光で胎内が明るくなってしまう。


天使の羽のようにも見える

30ルクス以下を達成

窓が全開だったので、胎内に入る前から明るいことが想像できた。しかし、ふと持っていた地図に目をやると、窓があっても胎内が暗い可能性があることに気がついた。
どうやら、この大仏の窓はほぼ北向きのようなのだ。よく北向きの物件は日が当たらず暗いと聞く。そして、この大仏の窓は北向き。だからもしかすると暗いのではないかと思ったのだ。

その可能性を信じて胎内に入ることにした。


胎内

胎内に入ると上の部分は明るかった。

しかし、僕らのいる部分は暗かった。
それは、僕らのいる部分が窓から2〜3メートル下だったことと、窓の下には足場みたいなものがあり、それが僕らのいる部分に直接光が入らないように光を遮ってくれていたためだ。光は足場で反射して上の部分を明るくし、ちょうど間接照明のような感じで、僕らのいる部分をぼんやりと明るくしてくれていた。

そのため、場所にもよるけれど、照度計は22.9ルクスを表示していた。「雰囲気を主とするバー」の暗さだ。恋人と行くとドキドキする暗さだ。
大仏の胎内は、目標であった30ルクス以下のところだった。


胎内は暗いが熱さもすごい
上の方は明るい

 

江の島へ10ルクス以下を探しに

目標にしていた30ルクス以下のところを見つけたので、さらに暗いところに探そうと思う。せっかくなので、JIS照度基準で「雰囲気を主とするバー」が属するカテゴリーで一番暗い「キャバレーの客席」の明るさ5〜10ルクスを探してみようと思う。

向かうは、鎌倉まで来たので江の島の岩屋洞窟だ。ベタに洞窟は暗いだろうと思ったのだ。


デートスポットでもある江の島

桟橋から岩屋洞窟までは30分程度だ。船もあるが、歩いていけばその道のりに江の島の主な観光スポットがあるので、退屈せずに歩くことができる。

しかし、岩屋洞窟に向かうまでに、求めていない暗さがあることに気がついてしまった。僕は今回の取材もいつものように1人で来ているのだけど、江の島はデートスポットだから、ひっきりなしにカップルとすれ違う。みな楽しそうで幸せそうだ。そういうのを見ていると独り者の僕は、多少なりとも照度計では測定できない暗さを感じたりするわけだ。もし測定できたら今回の目標の「キャバレーの客席」より暗いと断言できる。


岩屋洞窟は暗かった


洞窟に到着

岩屋洞窟は波の浸食で自然にできた洞窟だそうだ。入場料は500円。第一岩屋と第二岩屋の二つからなっており、その中には洞窟の歴史を紹介したギャラリーなどもある。江の島という観光地にあるためか、洞窟内のいたるところに照明が設置されていた。


ギャラリー
洞窟内の通路

照明はあるものの明るさ控えめで、場所によりけりだけど照度計は8.5ルクスを表示していた。洞窟はやっぱり暗い。初めからここに来ればよかった。
また、僕とすれ違ったカップルも手をギュッと握り合って「暗いね〜」「そうだね〜」と言っていた。だから、間違いなく暗いのだと思う。

これで、目標だった10ルクス以下のところを見つけることができた。また、行ったことがなかったので「キャバレーの客席」がこんなに暗いところだと勉強することができた。


僕の心の照度計はもっと暗い

鎌倉の大仏と岩屋洞窟は昼間でも暗いところだった。
もう十分かなとも思うのだけど、ここに来て一番最初に家のユニットバスで測定した時の結果、0.9ルクスが憎くなってきた。
室内だし、自宅だから電気をつけるもつけないも自分の勝手だから暗いのは当たり前だけど、東京をウロウロしても、鎌倉や江の島に来ても、結局、昼間でも暗いところの一番は、エッセンシャルダメージケアの容器に入れられたメリットが置かれた家のユニットバスということになる。これでは残念な気がする。

そこで、もっと暗いところを探そうと思っていたら、知人が自信たっぷりに「いいとこあるよ」と東京都稲城市にある威光寺の弁天洞窟を教えてくれた。

その弁天洞窟は、大仏と違い窓はなく、江の島の岩屋洞窟とも違い照明は一切なく、終始全く光のない洞窟だった。


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