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ロマンの木曜日
 
変わり種アメリカンドッグを作ろう

ネクストステージへ

たいていのソーセージはアメリカンドッグになりうる。それならソーセージから離れて、今までアメリカンドッグの具になったことがないであろうものから、新しいアメリカンドッグを作り出そうと思いました。

スーパーを2周も3周もして、あの衣の中に入っていたら嬉しいかもしれないものを片っ端から買い物かごへ。ちょっと洒落にならない金額になりましたが、記事のネタより個人的な興味が勝り、両手に重いビニール袋をぶら下げて帰ってきました。

それでは、どんな食材が新しいアメリカンドッグたりえたのか。以下ダイジェストでどうぞ。


肉系からスタート

まずはサラミ。単に形がソーセージに似ているという理由だけで選びました。

ただ、もともとビールのおつまみなので、アメリカンドッグ化してもビールの友として成立するんじゃないか、と期待。


正直、賞味期限内に残りを食べきれるか自信ない 脂っこさNo.1

見た目ポークビッツに近いですが、性格はまったく異なります。

ひとくち噛んだ瞬間、衣から脂がじわっと出てきました。どうやらサラミの中の脂が融けて、衣が全部吸ったようです。脂がうまい!

と一瞬思ったのですが、噛めば噛むだけ脂が出てくるのでやや辛くなってきました。ひとくちだけならおつまみになるかも知れませんが、2個以上口に運ぶのはかなりの勇気か、もしくは諦めが必要です。


続いての候補は、衣に投入する前にちょっと下準備が必要です。


アスパラを短く切ったら ベーコンで巻いて
塩胡椒をしながら焼いたら アスパラベーコンの完成です!

試しに1本食べてみたら、あたりまえだけど超うまい!

しかし、これを衣で包んでみます。


きっとアスパラもベーコンも驚いているだろう ちゃんとアスパラベーコンと同じ形に揚がった


サクッと噛んで半分にしようとすると、アスパラが噛み切れずにズルリと出てしまいました。が、意外とおいしいぞ。とりあえず、焼いたベーコンが衣とすげえ合う!そして、アスパラの甘みがすごく強調されていて、それがいいアクセントになっています。

作るのがちょっと手間だけど、これは十分おいしいと言えるレベルだと思います。


続いては、牛肉にトライしてみましょう。

牛肉と言えばステーキ。予算の都合で安い整形肉のサイコロステーキになってしまいましたが、塩胡椒で焼いたら串に刺して、衣をつけて揚げてみます。


だって安かったんだもーん 焼いたら不自然にすごい量の脂が融け出た
このまま食べたいが我慢 どこかで食べたことのある味だ

ステーキのアメリカンドッグをひとくち食べた感想は、微妙ー!!

とても惜しい感じです。食べた瞬間、間違いなくうまそうな香りと歯ごたえがあって、次にうまみが来るか、来るか、と待っている間に結局来ない、という感じ。やっぱり安い肉だからでしょうか。

ケチャップとマスタードをつけて食べたら、どこかで食べたことのある味になりました。何だろう、と考えたところ、マクドナルドのハンバーガーと同じ味でした。


食材はまだまだあるので急ぎます。

続いては個人的にいちばん鉄板だと思っていたミートボール。おいしくないはずがない。


ミートボールが不味くなる調理法なんてあるのか そのままの形で包まれた

ぜったいにおいしいハズだ、と思って食べたミートボールですが、まったく期待はずれの結果になりました。あまりに意外な味で、脳が何が起こったか理解するのに時間がかかっています。もともとの味つけがかなり甘かったので、衣の甘さと見事にぶつかってしまったようです。


総菜系はどうだ

続いて、既に調理済みの総菜をさらに衣にくるんで揚げたらどうかという、ある意味おとなの悪ふざけと言えるジャンルです。

まずは焼鳥。我が国独特の調理法で焼かれた鶏肉が、洋風のドーナツ生地をまとってどう変化するか。

しかし、本当は若鶏とか手堅い部位を買おうと思っていたのですが、遅い時間のスーパーにはよりによってレバーしか残っていませんでした…。


と言いつつもはや躊躇いなく生地をつけ さっさと揚げてしまう

ひとくち食べて、…あー……。

口の中で衣はすぐになくなるのに、レバーはずっと残る。衣で包む必要がまったくない。幸い生臭さはないけど、すごくぼんやりした味。別に不味くはないですが、あるかないかで言ったら、ないでしょう。

若鶏か、つくねだったら十分アリだと思います。鶏皮は、衣の生地の中から皮が飛び出ているさまを想像して、なしだなと思いました。


次は個人的に楽しみな海老フライ。

パン粉をつけて揚げてあるものに、さらに生地をつけて揚げたらどうなるのでしょうか。


串を刺さずにシッポを持つことにした 見た目が海老フライからさらに進化

これはふつうにうまい!

噛むと、いちばん外側からカリッ、フワッ、サクッ、プリッと4段階の歯ごたえの変化がものすごく新鮮で面白いです。ケチャップもマスタードも合うので、変わり種メニューのひとつとしてあるべきです。

「歯ごたえに変化をつけるために何層か衣をつける」という発想はまだ料理界にないかも知れません。新しいぞ。


さらに楽しみな食材、うなぎ蒲焼きに挑戦してみます。

蒲焼いたときの串を利用して(正確には串から外れなかった)、たれが落ちないように手早く衣をつけます。


ぜったいふつうに食べた方がうまいよなあ 横に裂くことで食べやすさもアップ!

ひとくち食べて、…何だこれ、…もぐもぐ、あ、うなぎだー!

というように、生地に包まれていても、うなぎの風味をストレートに感じることができます。案外いける。安い、ゴムみたいな食感のうなぎでもこんな感想なので、もっとおいしいうなぎなら、さらにおいしいのでしょうか。

とりあえず、うなぎをお菓子っぽく食べられます。「昼のお菓子」と言っていいかも、と思いましたが、よく考えたらそれは何の変哲もないですね。


総菜っていろいろありますね。次は餃子です。

餃子ドッグって、どこかにそんなメニューがあった気がしますが、きっとこれとは違うものでしょう。


串に刺さった餃子ってありそうでなかったと思う 衣つけすぎてパンパンになってしまった

これはなかなか強烈。噛んだ瞬間「ぎょうざ!」と分かります。

でも、合わなくない、というかむしろこれはアリではないでしょうか。ケチャップはあんまりなので、試しに醤油をたらしてみたら…、うまいっすよこれ!

何でだろう、理由は分からないけど、中身がソーセージに近いからかな?


いや、実を言うとはじめは半分くらい冗談だったのですが、こんなに合う食材があるとは意外でした。

続いては、この企画を編集部に伝えたときにリクエストのあった「おでんの具」を試してみます。


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