足が痛い
喜楽亭を越えてしばらく行くと、去年の年末に僕が入院していた病院がある。椎間板ヘルニアが悪化して1週間を過ごした古畑病院である。(「古畑任三郎」の由来となった病院に入院した)
正直に言おう。
実は池尻大橋駅を越えた辺りで、少し普通に歩いてしまった。人通りが多くてとてもムーンウォークで抜けられない雰囲気だったのだ。マイケルに対して申し訳ないが、あそこは無理だった。
それ以外の場所ではちゃんとムーンウォークで移動したから大丈夫だろう。
何とか神泉までやって来た。ここまでの上り坂は相当きつかったが、神泉まで来ればこっちのものだ。
この先にある道玄坂上を越えてしまえば、あとは下り坂である。
道玄坂上から下り坂をムーンウォークで下って分かった。
ムーンウォークは下り坂でもきつい。
むしろ下り坂の方がキツイかもしれない。ムーンウォークは足を滑らせた後に踵をひょいっと上げるのだが、その動作が下り坂だとキツイのだ。
長距離をムーンウォークで移動した者だけが分かる、ムーンウォークあるあるである。
キツイ下り坂がずっと続くが、下り切ってしまえばそこはもう渋谷駅である。
ゴールが近づき、センチメンタルな気持ちが高まり「ヒューマンネーチャー」を口ずさみながら、ゆっくりと下っていく。
チャレンジ開始から3時間。ついにムーンウォークで三軒茶屋、渋谷間を制覇した(池尻大橋駅前を除く)。
踵と膝の痛さは感じなくなっていたが、ふくらはぎの張りが限界だった。
ムーンウォークで約4キロを移動して思った。これを競技にしたらどうだろうか? そして毎年マイケルの命日に大会を開くのだ。ムーンウォークマラソンである。 もし世界大会が開催されるようなことになれば、僕は日本代表としてがんばらなくてはならない。その日の為に、もっと練習を積んでいこう。せめて、道行く人が見た時に「変な歩き方」と思われないように。