1.ふたを開けて放置。
もうこれはヤバイ。 見かけた瞬間に、なんと非道な目に遭わされたんだろうと思うパターンだ。人間で言えば最近問題になっている「ネグレクト」に値する行為だ。さてこの虐待ともいえる行為、ネグレクトを受けたマジック、何分ぐらいでカスカスになってしまうのだろうか。一定時間ごとに紙に書き、その変化を追って検証してみた。
結果1
意外と時間がかかった
思ったより書けなくなるまで時間がかかったので、2分間隔から4分、8分、16分、30分と間隔を増やした。4時間後から、かなり書けないマジック独特の「カツカツ感」が表れてきて、7時間後にはほぼ完全に「書けないマジック」へと成り果てた。
ちなみに、24時間後に試したら、後ろの「極細」の方は書けたので、書けなくなったのは内部ではなくペン先でのインクの乾燥が原因と思われる。
結論・ふた開け放置した場合、7時間で書けなくなる。
2.ふたユルユルで放置
ふたとか、そういうものが、カチッ!と閉まる感触を「クリック感」というらしいのだけれど、『マジックインキ』のふたは、世にもクリック感の無いふただとは思わないだろうか。 おかげでしょっちゅう、きつく閉められ過ぎたり、逆にユルユルで放置されたりしているのに出くわす。そしてユルユルで放置されていたコイツはだいたい書けなくなっている。 現実的に言えば、この「ふたユルユル」が、マジックが書けなくなる最多原因ではないだろうか。というわけで「ふたユルユル」の変化を半日ごとに追ってみた。
結果2
全然余裕だった
ふたユルユルの加減に問題があったのだろうか。マジックインキは10日後でも実験開始時と全く変わらない、凛々しい書き味を示した。おそらくユルユルによる乾燥は、もっと穏やかなペースでペン先をむしばんでいくのだろう。
結論・ふたユルユルは意外と大丈夫
3.暑い場所に放置
マジックインキの元となる有機溶媒は、高熱でたやすく蒸発してしまう。60℃にもなると言われる真夏の車内に放置されたらイチコロだろう。それ以外にも、窓際に放置される、PCの排気口そばに放置されるなど、高熱環境下に放置される可能性はいくらでもある。
思ったよりすぐには蒸発しない
というわけで100分間、ドライヤーの熱にさらしてみたが、書き味は思ったよりも変わらなかった。ドライヤーが壊れてしまうので実験は中止し、翌日、思い切って晴れた日の車内に放置してみた。
朝8時から放置を開始し、12時、14時、16時、18時と書ける具合を記録した。この日は猛烈な陽射しで、車内の温度はどんどん上がり、80℃近い温度に達した。 この猛熱の中、10時間放置されたマジックはどうなったのか。結果は以下に示す。
結果3
思った以上に熱に強い
マジックは熱に弱いのではないか、というのは、冬場に電気ストーブのそばの引き出しに入れておいたマジックが使用前にカラカラになってしまった、という体験から立てた仮説だったのだけど、マジックは思った以上に熱に強かった。14:00の時なんて、熱くて熱くて直接マジックを持つことができないほどだったのだけれど、マジックは文句のつけようのない書き味を示した。そしてそのまま18:00を迎え、マジックは真夏の一日を耐え切った。
結論:80℃とかいって、真夏の日光すげぇ。 でもそれ以上にマジックすげぇ。
4.もう、ひたすら書かれた
よく考えたら、ふつうに長きにわたって使われて、そしてインクが尽きた、という可能性も考えられる。マジックの寿命を知らない僕らは、いったいどれぐらい書くと尽きるのか分からないので、全力でその仕事を全うしただけの老マジックに対して、「不良マジック」の汚名を着せている可能性だってある。
ホワイトボードマーカー、意外と書ける
小さなホワイトボードを用意し、何枚分を書けるか試すことにした。最初ミスチルの歌詞を全面に書いてみたのだけど、飽きたので途中からジュディアンドマリーにしてみた。
でもそれもすぐ飽きたので、黒く塗りつぶしてみた。けれどそれもすぐ飽きたので、やる気無くいろいろ書いてみた。それでも無くならないので、あきらめて翌日、大きなホワイトボードに書きまくってみた。
もう勘弁してもらっていいでしょうか
書けるには薄いながらずーっとかけるので、6枚分わしゃわしゃわしゃわしゃ書いてたらヒジが引きつりそうになってきた。なので6枚目でやめる事にした。明らかに筆記力が落ちてきたのは4枚目途中ぐらいから。5枚目・6枚目は薄くて写真ではほとんど読むことができない。
結論:A4に8枚+ホワイトボード3枚に書きつぶしたあたりがだいたいの寿命。 ていうかヒジが痛い。