この夏のビッグイベントといえばやっぱり日食だろう。
日本で観察することのできる皆既日食はなんと46年ぶり、これを逃すと次は2035年というレアさ加減も人気に拍車をかける。
でもその日は平日だし昼間だし、そもそも皆既日食が見られるのってすごい南の方だし。なかなかにハードルが高いのだ。見に行くためにいろいろなものを犠牲にしなくてはならない。
もっと手軽に日食の興奮を味わえる方法はないだろうか。そこで思いついたのがこの飛行機日食なのである。
(安藤 昌教)
日食と日陰は違うのか
そもそも日食とはなにか。
日食は地球から見て、月が太陽の前を横切る時に太陽を隠す現象のことを言う。このとき月が太陽を全部隠す場合を「皆既日食」、部分的に隠す場合を「部分日食」と呼ぶ。
仕組みは単純なのだ。つまり太陽が何かに遮られた状態、それが日食ということだ。
ならばこれも広義の日食ではないのか。
太陽がカーブミラーに一部隠された状態だ。
本当の日食の場合、昼間なのに薄暗くなったりするらしいが、カーブミラーに隠された場合はすぐ下がちょっとだけ暗くなる。
つまり日陰、というやつだ。
日陰と日食はやってること同じじゃないのか。
しかしこれではあまりに芸がなさすぎるし、こうして写真を撮っていても日食に匹敵するほどの興奮がなくて当たり前だ。
日食がレアなのは、地球も月も動いているのにたまたまその並びが直列になったときにだけ起きるという偶然性も加わっているからだ。
ということは太陽を遮る部分が動いている場合、日陰にも日食と同じような希少性が生まれるのではないか。
動くもの。空に浮いていて、しかも動くものって。
飛行機日食とは >