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ひらめきの月曜日
 
海辺のプレハブ小屋へ新しい滑走路を眺めに行った

この道で合ってるのだろうかしら

飛行機がじゃんじゃん飛んでいく

矢印に導かれて行くって、夢とか童話の世界だと思う

展望施設への道のり、夢っぽい

すごくいい天気で暑い。航空会社のビルの日陰を伝って、大通りの歩道を歩いていく。人はほとんどいないが、資材運搬らしいトラックなら何台も通っていった。

トラックと同じくらい、飛行機も飛んでいく。近くて大きい。でも私のコンパクトカメラでは小さくしか写らなかった。

おっと、こういうときに人はでかいカメラが欲しくなるのか。ガッテンガッテン。

ガッテンしながら歩いていくと、行く先にトンネルがあった。地図にトンネルとは書いていないが、道としてはこの道だ。

本当にトンネルを通っていいのかと迷いつつ近寄っていくと、「D滑走路展望台」の看板が。なんだか夢とか童話っぽいが、非常に分かりやすくて助かった。

トンネルの向こうは、現場だった

オレンジ色に光る、首都高に乗っている通るような半分地下にもぐるタイプのトンネル。こういう道って子供のころ歩いて通っちゃいけないといわれていたような気がするのだが大丈夫か。

入ってみると、歩道は広くて歩きやすかった。やっぱり、たまに資材を積んだトラックが通った。後で調べたら、埋め立て土砂を運ぶトラックらしい。

そして、トンネルを抜けると、そこは現場だった。

だだっ広いなかに、いかにも工事現場にあるプレハブの建物がぽつぽつと建っていて小型の重機がたくさん並んでいる。

だんだんと潮のにおいが強くなってきた頃、まさに海辺にひときわ立派なプレハブが見えた。おお、あれか。

トンネルを出ていよいよ高まる立ち入り禁止感
当たりが出る自販機久しぶりに見た(アンバサとネクターが入ってる自販機もあったぞ)

左はしに写っている建物が、D滑走路展望台

プレハブといっても、立派な3階建て

2F、3Fが展示説明部分。1000万労働時間達成を祝う垂れ幕の現場感に、ぐっとくる

3万人以上の見学者が訪れた人気施設です

屋上には先客らしき見学者の方がいて、おお、人がいる! と思った。

たどり着くまではほとんど工事関係者の方しかおらず、本当にここに一般の人間が立ち入ってしまっていいのだろうかと半信半疑で歩いていたが、来ている人は来ているのだ。

そもそもここ、2007年7月の一般公開から1年9ヶ月で総訪問者数が3万人を突破したという人気の施設なのだった。

駐車場も乗用車4台程度であれば駐車できるようで、車で来ている方が多いのだろう。この日は全部で5人の見学者の方とすれ違った。

すごく気軽な雰囲気

見学はサッシの扉を開けて(やはりプレハブだ)、受付を済ませてから。なんでも、お願いすれば無料で案内をしてくれたり双眼鏡を貸してくれたりもするという。

私が行ったときは、はきはき明るい受付の女性と、作業着にTシャツ姿のおじさんがいらした。

私が受付に必要事項を書いていると「風が強いねえ、私なんか軽いから飛ばされちゃうよ(痩せた方だったのだ)」とおじさんが話しかけてくれた。「そうですねえ、おじさん、平べったいもんねえ」と返す。

どこか工事中の現場の脇に建っているプレハブ事務所にふらっと遊びに来ちゃった感じ。なんだか気軽だ。

屋上に登るってそれだけでわくわくするのに
どがーんと現場の風景が広がってもうお腹一杯だ

そして飛行機は飛んでゆく

床がおしゃれな板張りだった

新しい滑走路を作っている人がいる

展望台(屋上)にあがると、なんだか目の前の工事が大きすぎてぼんやりしてしまった。

どーんと広がる、あれが滑走路になるのか。信じられないというか、想像がつかない。

双眼鏡で見ると、工事中の滑走路に人がいる。

そりゃあ今整備のまっただなかなので作業員さんがいるのは当たり前だが、双眼鏡のなかで人が作業しているのが見えて「あっ」と思った。

あのゴツゴツガリガリした現場に、人がいる。そうなんだ。ああいう大きなものも、人が作っているんだ。今使っているAからCの滑走路だって、人が作ったものなんだ。

潮風で顔をぺたぺたにしなが工事の様子を見守って、うわ、すごいなそれと改めて感心する気持ちになったのでした。


最後はちょっと「夢ならいいな」と思った事件が

夢っぽい場所だなあと思う道程だったが、実は最後に「夢なら覚めろ」という事態が起きた。

展望台に登ったあたりから写真の色味が昭和みたいになっている。実はカメラのバッテリーの予備をどこかに落としてしまい、最後の部分の写真が携帯電話の写真になってしまったのだ。

羽田空港でカレーを食べたときに予備のバッテリーは確認しているが、展望台で交換しようとしたら、なかった。夢なら覚めてくれ。

そうやって、私が夢みたいだとか、夢なら覚めろとか言ってる間もD滑走路は着々とできあがっていくのだ。人の手で。わくわくというか、ドキドキというか、やっぱりちょっとハラハラする。

東京国際空港D滑走路建設外工事
https://www.haneda-d.jp/

重機のあしもとにアザミが咲いていてきれいだった

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