餃子の樹
なんと餃子である。温暖な土地を好み、東北地方での栽培は従来難しいとされてきた。「地球温暖化の指標作物にもなってるから、実ったのを手放しでは喜べないけどね」といいながら、間瀬手さんはペロリと舌をだし、おどけてみせた。
こちらも風に実が揺れる様子を動画で撮影してきた。唐揚げと比べて、その重量感が伝わるとおもう。
ここまでの収穫
さて、これまで収穫した実がこちら。
どうだろう、この「もぎたて感」。ずいぶんと地味な色で、鳥とかぜんぜん寄ってこなさそうな実ではあるが、正真正銘、間瀬手さんが先ほど樹からとったものだ。
そして最後にみせてもらったのが珍しいこちらの樹。
ちょっと不気味なビジュアルで登場したのは、おでんの樹である。呪いとか罠とか、そういう雰囲気が漂っている。 濡れてるし。
おでんの樹の幹からは、琥珀色の樹液がしみだしていた。間瀬手さんに「これ、甘いんですか?」と訊いたら、「いや、それ出汁だから」と言っていた。なんと、おでんの樹からは出汁まで採れるのだ。
そしてこのおでんの実、収穫は出汁を入れた容器の中に直接おこなう。
「さくらんぼうは可愛い」という話だったのが、いったいどうしてこんな展開になったのか。自分でもよくわからないが、それでもやっぱり枝の下でぶらぶらする唐揚げは最高にキュートだった。「さくらんぼう超え」の瞬間である。
結論として、「ぶらさがっているものは可愛い」ということで全面的に間違いないと思う。足の届かない鉄棒にぶらさがってバタバタしている会社の上司を想像してほしい。やっぱりちょっと可愛く思えるのではないか。