デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


ロマンの木曜日
 
鉄道ファン以外による紀州鉄道案内

紀州鉄道の魅力その3 みんな紀州鉄道が好き

日曜日に取材に行ったこともあって鉄道ファンが何人もいた。ミーハーな感じもするが、いろんな人たちが紀州鉄道を好きで大事にしている姿を見ると、「あ、こいつはいいものなんだ!」と思わされる。


カメラ3台くらい持ってたよ。


そういうファンの方は路線の中の見どころにいることが多いので閲覧ポイントがすぐにわかる。減るもんじゃないので邪魔にならなければ問題ない、一緒に見たり写真を撮ったりしよう。


紀州鉄道の古臭いところが好きなんだって


好きなものにはみんな雄弁になるものでちょっと質問すればいろいろなことを教えてくれる。この学門駅の切符は勉学に御利益があるのだそう。


お父さんは撮影の仕事をしてるので機材が本格的


話をしているとお父さんも一緒にいろいろ教えてくれた。

お父さん(以下、父)「30年前にも乗りに来てまして、その時は電車の前をおじいさんが自転車で走ってました」

僕「前って、線路の上ですか!?」

父「そうです。それで車掌さんが警笛を鳴らしたらおじいさんがびっくりしてね。急いで自転車を漕ぎ始めてずっと一緒に走ってましたよ」

僕「避けるんじゃなくて逃げる!それでも運行出来るってすごい」

父「そうですね。昔、踏切に遮断機がなく警報器だけだった頃は警報器が聞こえなくて入ってきちゃう車がいたんで電車の方が一旦止まったりしてましたよ」

僕「へぇー、それだけ柔軟でおおらかなのが紀州鉄道の魅力ですねぇ」


乗ってた女の子が手振ってくれてた。見えねぇけどな。


みんながみんな紀州鉄道の事をすごく嬉しそうに話してくれる。嬉しそうに話してくれる人を見るとこっちまで嬉しくなる。そしてもちろん話の途中であろうと電車が来たらそっちに夢中だ。

紀州鉄道見に行くのに事前知識やガイドはいらぬ人に話しかけるちょっとの勇気があればよい。

 

紀州鉄道の魅力その4 なんかすごくおおらか

さっきのお父さんの話にもあったように全体的におおらかなのだ。


家の玄関の前に線路


住宅地の中も走っているのだが柵はない。玄関開けたら2秒で線路。それでも事故などはないのだという。


さっきの家の裏。どう見ても裏口だ


始発駅から終着駅まで特に柵などはない。地域に馴染みすぎな紀州鉄道。そして実は始発駅もちょっと変。


駅に紀州鉄道の情報は一切なし
0番ホームが紀州鉄道。他のホームはJR

始発の御坊駅はJRと共用になっているのだが駅の中に紀州鉄道の情報は一切無い。間違えたのかな?と駅員さんに聞いてみると

「あぁー、紀州鉄道は階段の裏ね。どうぞ入って」

入っ?入っていいの?この改札の意味は?中に入ると見えてきたのが0番ホーム。この0番ホームだけが紀州鉄道。そのほかはJRだ。

あ、いいんだ。そういうのありなんだ。戸惑うのは僕だけで地元の人には当たり前。鉄道ファンにも当たり前の妙な常識がここにはあった。


橋げたが手作り感あふれる。番号ふらなきゃわかんなくなっちゃう。


結局乗ります。やっと乗ります次のページで。


< もどる ▽この記事のトップへ つぎへ >
 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.