--それから長らくアニメ業界で活躍されている鈴木さんですけど、最近のアニメなどは観られているんですか。
「ある程度観ていますよ。最近でいうと『鋼の錬金術師』なんかすごく面白かったです。深夜アニメも面白いですよね。あれは子供向けじゃなくて大人に向けて作ってますから。アニメもそれだけ歴史が出来て、大人も観るような時代になったということなんですね。なんせ首相まで漫画を読んでいる時代ですから(笑)」
--「国営マンガ喫茶」と揶揄されている国立メディア総合センターの計画がありますけど、あれについてはどう思いますか。
「反対ではないです。漫画やアニメっていうのは消費されていっちゃうものなので、それを残そうっていう発想は悪くないと思いますけどね。ただやり方が良くないです。もっと漫画家やアニメ作家たちの意見をまとめてからはじめるべきだったのに、お役人の都合が先ではなかなかうまくいきませんよ。ここ杉並アニメーションミュージアムは杉並区がやってるんですけど、作る時に僕の意見も色々と取り入れてもらってますからね」
--杉並アニメーションミュージアムはどういうコンセプトで運営されているんですか。
「展示だけじゃなくて、実際に体験出来るワークショップをメインにしたいということですね。自分でアニメを作ってみたら面白いし、アニメの見方も変わりますから。そうやってアニメ制作者の裾野も広げて行きたいんです。日本のアニメってすごい文化だと思うから、後の世代にも伝えていきたいと思うし、そのためには人を育てていかなくちゃならないですから。だから、国も制作者を養成するような機関を先に作った方がいいと思いますけどね」
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