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はっけんの水曜日
 
小池さんのアニメミュージアムに行ってきた

鈴木伸一さんインタビュー

この日はワークショップの指導でちょうど鈴木さんが来館されている日だったので、お願いしたところ、なんとインタビューさせてもらえることに!

オー、コーフン!

この鈴木伸一さん、小池さんのモデルであることもそうなんですが、アニメ作家として「ハットリくん」「パーマン」「オバケのQ太郎」など、僕が子供の頃ガッツリ観ていたアニメを手がけられていた人でもあるので、直接お話を聞けるなんて感動モンです!

ああっ、鈴木伸一さん登場! ほ、本物の小池さんだ! やっぱりすごく雰囲気がありますね。

……ということで、ここからは鈴木伸一さんのインタビューです。アニメをはじめた頃、これからのアニメ業界など色々な話を聞かせて頂きました。

 

--鈴木さんがアニメに興味を持ちだしたきっかけって何だったんですか。

「やっぱり子供の頃、ディズニーのアニメを観て熱狂しましたね。戦後すぐの時期だったんでまだ日本映画は白黒だったのに、ディズニーアニメはカラーで上映されていたので、映像のキレイさに感動しましたよ!」

--それでアニメを自分でも作りたいと。

「やってみたいとは思いましたけど、どうしたらいいのか全く分からなかったので、アニメに近い物として漫画を描いていましたね。当時は日本にアニメ会社があるかどうかも分からないような時代でしたから。それで、本格的に漫画家としてやっていこうと思い東京に出たんですよ」

--そこからアニメに転身したきっかけは何だったんですか。

「東京に出て、漫画を描いたりデザイン会社に勤めたりしていたのですが、ある時『フクちゃん』という漫画で人気があった横山隆一先生がアニメスタジオを作るから手伝ってみないかってお話を頂いて……。僕は『フクちゃん』も大好きだったので、ラッキーと思って飛びつきました。そのスタジオが“おとぎプロ”というところだったんですけど、手探りだったので色々と大変でしたよ。カラーフィルムを一巻丸々買うような余裕はなかったので、色んな撮影所に行って“端尺”っていうんですけど、撮影で余ったフィルムを手に入れてきて、それをつなげて撮影していたんです。でもフィルムって色んな種類があるので……。だから途中で色が パカパカ変わってましたね(笑)」

なんと、色んなフィルムをつなぎ合わせて使用していたとは! 現像所の人もビックリしたでしょうね。

--それから長らくアニメ業界で活躍されている鈴木さんですけど、最近のアニメなどは観られているんですか。

「ある程度観ていますよ。最近でいうと『鋼の錬金術師』なんかすごく面白かったです。深夜アニメも面白いですよね。あれは子供向けじゃなくて大人に向けて作ってますから。アニメもそれだけ歴史が出来て、大人も観るような時代になったということなんですね。なんせ首相まで漫画を読んでいる時代ですから(笑)」

--「国営マンガ喫茶」と揶揄されている国立メディア総合センターの計画がありますけど、あれについてはどう思いますか。

「反対ではないです。漫画やアニメっていうのは消費されていっちゃうものなので、それを残そうっていう発想は悪くないと思いますけどね。ただやり方が良くないです。もっと漫画家やアニメ作家たちの意見をまとめてからはじめるべきだったのに、お役人の都合が先ではなかなかうまくいきませんよ。ここ杉並アニメーションミュージアムは杉並区がやってるんですけど、作る時に僕の意見も色々と取り入れてもらってますからね」

--杉並アニメーションミュージアムはどういうコンセプトで運営されているんですか。

「展示だけじゃなくて、実際に体験出来るワークショップをメインにしたいということですね。自分でアニメを作ってみたら面白いし、アニメの見方も変わりますから。そうやってアニメ制作者の裾野も広げて行きたいんです。日本のアニメってすごい文化だと思うから、後の世代にも伝えていきたいと思うし、そのためには人を育てていかなくちゃならないですから。だから、国も制作者を養成するような機関を先に作った方がいいと思いますけどね」

ところで、小池さんに関してずーっと気になっていた疑問があったので、失礼かとも思いつつこの機会に聞いてみました。

--どうして鈴木さんがモデルなのに“小池さん”っていう名前なんですか。

「あれは、当時僕が“小池さん”っていう人の家に下宿していたからなんですよね。だからあのキャラクターは最初『小池さんの家に下宿している鈴木さん』っていう設定だったんですけど、表札に“小池”って描いてあるからみんな小池さんだと思って、それが定着しちゃったんですよね」

な、なーるほど。そういうことだったんですね!

ほ……ホントーにありがとうございました!

アニメを作ってみたくなりました

鈴木さんにお話を聞けたこともカンドーだったんですが、鈴木さんの考えるコンセプトがふんだんに盛り込まれた杉並アニメーションミュージアムも楽しかった!

アニメを作るのってものすごく大変なイメージがあったんですが、いざ自分で体験してみたら、ちょっとしたものであれば意外と簡単に作れるんだなー……と(まあそれでも大変でしたけど)。

何より、自分が描いた絵が動くっていうことがこんなに楽しいと思いませんでしたよ。今はパソコンさえあれば個人でもアニメを作れる時代だし、僕も近いうちにもうちょっとまともなアニメを作ってプープーテレビあたりで発表させてもらいたいと思いました。

来場記念のスタンプも鈴木館長!

杉並アニメーションミュージアム
東京都杉並区上荻3-29-5 杉並会館3階
【電話】 03-3396-1510【開館時間】 10:00〜18:00(入館は17:30まで)
【休館日】毎週月曜日および年末年始(12月28日〜1月4日)
【入場料】入場無料
https://www.sam.or.jp/


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