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ちしきの金曜日
 
一刀彫で作るセロテープスタンド

左が第1案、穴あけ工法。右が第2案、削り出し工法。

最後まで「一刀」で完成を目指す

「テープ輪」の作り方として、二つの案を考えていた。
第1案が左に示す、穴あけ工法だ。薄切りにした円盤状の木に、穴を開けて木の軸を通す。こっちの方が明らかに楽だが、ノミでは丸い穴を空けられないので、別の小刀を使うことになるし、木の軸も作れないので別売りのを買うことになる。だめだ、そんなの一刀彫と言えない! 僕は一本の木と一本のノミで作るのだ。

というわけで第2案を採用した。右に示す削り出し法だ。厚めの木材からテープ輪を軸もろともノミで削り出す! 軸の位置合わせも含め、かなりの手間だが、今回はこれに挑戦してみた。

ノコギリは彫刻刀のうちに数えません。
木目に沿って、ぱきぱき割っていきます。

木にヒビが入っているのを発見。割れそうで超怖い。

ここへ来て、木工の大敵であるフシが!! やばし!


テープ輪完成! 仕上げへ!


完成。


セロテープもほら、きれいにはまる!

5時間ぐらいかけてテープ輪が完成した。
割れるんじゃないか、折れるんじゃないか、左右のバランスが崩れたら使い物にならないんじゃないかなど、多くの不安と戦いながらの5時間だったが、完成品は思ったより上手くできたし、テープも無事はまった。あとはテープ切りの刃物を接着するだけだ。
家族に内緒でサランラップの刃物の端をちょっとだけもらってボンドで貼り付けた。

そして乾燥するまでの間、全体的に成形しなおし、完成とした。

これぐらいならばれないかな……
セメダインスーパーXを使用。

一刀彫セロテープスタンド、完成


夏の日射しに映える素材感

製作時間約20時間をかけて、一刀彫セロテープスタンドが完成した。ワイルドな風貌、圧倒的な重量感は、市販の既製品を凌駕する一品だ。


空に向けまっすぐ伸びるテープライン

ここまで来ると単なる事務用品の枠を超え、ファッションアイテムとしての地位や、ライフスタイルの象徴の座を獲得することも夢では無いかもしれない。
こんな感じに。


結論

木彫りに挑戦したのは小学生のとき木剣を作って以来、ノミでの彫りは初めてとなったが、とても面白かった。自らの手で自由に造形をデザインできる楽しさを久しぶりに感じることができた。
完成品も含めて、8/22に行われる夏のDPZエキスポに道具一式を全部持って行くので、来場予定の方はテープをカットしたり、反対側を自由に彫ってみたりしてください。

下に敷いていたのは、すべり止めつきワッフル型バスマットです。


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