もう一人の自分の使い勝手はなかなか良い。ウエットスーツにハンガーを通してあるので、ちょっとした出っ張りや穴があれば、どこにでも掛けられる(これがみんなの待ち望んでいたユビキタス社会の到来である)。
等身大なのに軽くて、持ち運びも楽々だ。これがさっきまでぼくをいろいろ苦しめていたウェットスーツと同じものだとはとても思えない。さすが自分、有能だなあ、とうなりたくなってくる。自画自賛で恥ずかしい。いや、ウェットスーツから解放された喜びでなんかおかしなことを言っているような気もする。しかし冷静になれない自分がいるのも事実だ。 |