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ロマンの木曜日
 
海外の日本語放送を聴こう

世界とつながる

アンテナ線を室内に引き込んで、再度受信に挑んだ。
不要なノイズを避けるため、蛍光灯を消してエアコンも切った。
よくわからないけどそうした方がいい気がするので、暑さを我慢しながらの受信だ。


暗くて暑い中がんばります

けっこう聞こえます

何もしなかったときよりも受信感度は明らかに向上していた。
ちょっとダイアルを回すだけで、いくつもの局が受信できる。
これは期待が持てそうだ。
その様子を録音したので聞いていただきたい。



いろいろと事情が絡むので、ダイアルを動かしながらの音声で、一局づつじっくりお聞かせできないのが残念だが、ノイズ混じりではあるが数カ国の放送が受信できた。


受信感度はかなり向上


中国の日本語放送を受信

放送スケジュールを確認しながら、周波数を中国の日本語放送に合わせた。
安価なラジオのため、表示されている周波数と受信している周波数とにずれがあるようだ。
なんどか目盛を合わせていると、中国語の音楽のあと、はっきりとした日本語が聞こえてきた。
中国の歌謡曲を放送する番組のようだ。
エアロスミスのアルマゲドンのテーマ曲を中国語で歌っているような曲がたくさん流れていた。
多少ノイズがはいるけれども、話の内容もすべて聞き取れるレベルだった。

この放送は、中国国際放送局のサイトでも聴くことができる。
だったらはじめからそっちを聴けばいいとおもうかもしれないが、ラジオで聴く楽しみはまた違うのだ。


中国 受信成功

北朝鮮の日本語放送

続いて受信を試みたのは北朝鮮による日本語放送だ。
中国に比べると受信状況が悪いが、日本語アナウンサーの話は十分聞き取れる。
放送の雰囲気は、僕が聴いていた20年前とあまり変わっていない気がした。
内容に関しては、皆さんが想像しているのとたぶん変わらないので説明はよそう。


北朝鮮 受信成功

ベトナムの日本語放送

続いて受信したのはベトナムの国営日本語放送だ。
こちらは中国や北朝鮮にくらべて遠いので、受信は無理かと思ったが、ノイズの中から何とか聴くことができた。
ちょうどこの日は(8月10日)枯れ葉剤が初めて散布された日にあたるそうで、それに関するニュースを放送していた。
ふだんの生活では触れることのない情報だった。


ベトナム 受信成功

楽しいのだけれど

ベトナムの放送は期待していなかっただけに、聞こえたときの喜びは大きかった。
そうだ、この楽しさだ、と思い出した。
ノイズの中から聞こえてくる放送を耳をこらして探しあてた時の感覚は、捜し物を見つけた時のうれしさに似ている。

しかし、暗い室内でイヤホンをしながら(その方が聞き取りやすい)電波を受信しているというのは、たとえば夏の海辺で友達とバーベキューをするのに比べると、アクティブな遊びとは言えないかもしれない。


本当に電気を消す必用があるのかは不明

タイの日本語放送

でも楽しいので受信を続けた。
つぎに聴いたのは、ラジオ・タイランドというタイの国営放送だ。
ベトナムと比べてもかなり聞き取りにくいが、どうやらニュースを放送しているというのは聞き取れた。
タクシン元首相に関する話題のようだが、内容までは聞き取ることができなかった。


タイ かろうじて受信成功

イランの日本語放送

最後に挑戦したのはイランの日本語放送受信だ。
さすがにイランは遠いので、たぶん僕が買ったラジオでは受信不可能だと思っていた。
ところが、放送開始予定時刻直前にダイヤルを合わせたとろ、ノイズの中から「イラン・イスラム共和国」という言葉が聞こえてきた。



思わず声を上げて喜んでしまった。
遙か中東から発せられた電波が、僕の家まで届いているのだ。
残念ながらその後は時々日本語らしき声が聞こえるのみで、きちんと聞き取ることはできなかったが、たぶん間違いなくイランからの放送だ。


イラン まさかの受信成功


やっぱり楽しかった

他にも、ロシアと台湾、韓国の放送を聴くことができた。

遠くの電波を受信できた喜びもさることながら、行ったことのない国を知ることができた気がするのが楽しい。

ふだん我々が接するニュースは、主観を排した公平な(ということになっている)情報だが、海外日本語放送で聞こえてくるニュースは、その国の主観に基づいたものだ。
現在日本語放送を行っている国(や団体―今回取り上げなかったが、宗教放送もある)は、日本人に理解されにくい、あるいは理解している人が少ない主張を持っている国が多いので、自分とは違う考えを持っている国があることを直接声を聞いて知るというのも、大変興味深い体験だと思った。
2000円ちょっとではじめられるので、興味がある方はぜひ。



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