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フェティッシュの火曜日
 
羽根のペンと骨のペン


たまには残暑見舞いの葉書きでもと、万年筆を取りだしてみた。字が下手なわりに道具は良い。数年前、あるお祝いで戴いた物だ。
国や時代によらず、文具には魅力的なものが多い。筆でいえば、映画などにみる西洋の羽根ペンは子供の頃に憧れたものだった。あれは果たしてどういう仕組みのペンなのかと思っていたのだが、ざっくりいえば羽軸の先を尖らせて切り込みを入れただけのものらしい。それなら不器用な自分でも、簡単なものであればつくることができそうだ。今こそ憧れの羽根ペンを手にする時である。

櫻田 智也



残暑見舞いを


岩手では、お盆を過ぎれば秋の風

さて、羽根でペンをつくろうと思うのだが、まずはそこから進化を遂げた万年筆のペン先の姿を観察してその準備としたい。ウエスタン・ラリアットからネックブリーカードロップを学ぶ、というわけだ。

万年筆であるからして、いちいちペン先をインクにつけるわけではなく、ペン軸内にインクを溜めて使うわけだが、基本形状としては同じだろうと思う。
要は、(描きたい線の太さに合わせて)先が尖っていて、少量のインクを保持できる切り込みが入っていれば
よいのだ。 

 

黒光り

つくると決まれば必要なのは羽根である。「羽根ってどこに落ちてるかなあ」などと考えながら歩いていた通勤途中の道で、いとも簡単に最初の羽根をみつけた。


まず間違いなくカラス

「やった!」と思ったが、カラスの羽根を手にヒラヒラさせながら出社するのはあまりに少年すぎるので、昼休みにビニール袋を持って再度落ちていた場所まででかけていった。誰かに先に拾われてしまうのではと心配で午前中は仕事が手につかなかった。


無事に確保

 

さて、これだけでもかまわないのだが、せっかくだから色んな種類の鳥の羽根でつくってみたい。そう思い、収集にでかけてみた。

 

羽根を求めて

家の近所ではカラス以外の羽根をみつけることができなかった。落ちていたとしても、なんだかすごく濡れてたり、ボサボサだったりして、非常にばっちい雰囲気を漂わせているのだ。

そんなわけで、効率よくたくさんの羽根を集めるために、動物園にいってみることにした。


盛岡市にある動物公園

夏休み期間、しかも週末ということもあってなかなかの賑わいをみせる動物公園。さっそく鳥類ゾーンにと思っていたのだが、入園していきなり目の前に魅力的な物体が。


こ、これはっ!

かなり本気度の高い顔ハメの出現にテンションが上がる。


こちらはありがちなタイプの顔ハメ

顔ハメというと、この2枚目の板のように、顔を入れたとしても全然イラストの一部になれてないものが多い中、これほどの作品に出会える機会は滅多にない。鳥の件はいったん置いておき、さっそくハメねば。


ドキドキしながら順番を待つ

顔ハメの裏側でモジモジすること数分、やっと順番がまわってきた。


待望の顔ハメ

笑うメガネザル

いやあ素晴らしい。わざわざ盛岡までやってきた甲斐があったというものだ。皆さんも来園の折には是非ハメていかれたらよいと思う。

さて、充分楽しんだし、そろそろ鳥の羽根でも拾うかと園内を歩いたのだが、


檻の中
檻の中

きてみて納得。鳥は当然のように檻の中である。抜けた羽根だってもちろん檻の中にあるわけで、手の届きようがない。


金網の向こうには美しい朱色の羽根が

そんなわけで自分の考えの浅はかさに多少ビックリしつつ、顔ハメの記念写真に満足し、ここは潔く帰宅することにした。

 

みてほしかっただけ

さあ茶番はここまでだ。動物公園に本気で羽根を拾いにいったことは事実だが、結果としては本記事にまったく不要な部分である。要するに顔ハメ写真が上手に撮れたから、みてもらいたくて書いただけだ。

というわけで、この他にも海でカモメの羽根をさがしたり旅行先の京都で鳩を追っかけたり(住んでる町に鳩が見当たらないので旅先で羽根を集めていた)色々あったわけだが、


東寺の鳩

とりあえず失敗しても何度かつくりなおせるくらいの羽根を集めた。


カラフルなものがないのは残念

少年時代と異なり、手にした羽根に若干の気持ち悪さを感じつつ、憧れに向けて加工することにした。


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