巻き網船による漁には、たくさんの乗組員と四艘の船が必要。船の値段は何千万だし、維持するにも保険代だけで年間何百万もかかるという。大傳丸が株式会社である理由がなんとなくわかってきた。
漁の仕方も極力リスクを減らすために、
同じく船橋港の中仙丸と漁場の情報交換や魚の貸し借りなどの業務提携をしたり、
漁獲のあたりはずれが大きい昼間の漁から、平均して獲れる夜の漁へと切り替えたりしている。
「リスク分散」「業務提携」なんていう、失礼ながら漁師から聞くとは思わなかった単語が、大野さんとの会話ではポンポンと出てくる。たぶん5年後に会ったら「IPO」とか「ASEAN」について熱く語っている気がする。 |