やったことのないゴルフにアプローチ
ポロシャツに多段タック。通常時の服装としてはかなり難しいことがこれまでの実践でわかった。いかんともしがたいものがある。ならばいっそ、もじもじしていないで緑豊かな公園に繰り出してみてはどうか。
どうにも決まらない。立っているだけなのに、なんとも間抜けな風情が漂ってしまう。
しかしこの服装は、モデルとしているのがゴルフ選手であるとおり、ゴルフをするときには定番と言える組み合わせであるだろう。ならばそれっぽいアイテムを加えてみてはどうだろうか。
私はゴルフをしないので、ゴルフセットは義父から借りてきた。「タックのいっぱいついたズボンを作ってですね…」と借りる趣旨は説明したのだが、果たして伝わっただろうか。
ともかく、バッグやクラブを組み合わせてみると、ただ突っ立っているときよりはだいぶ説得力が出てきたと思う。
ゴルフ風味をつけたことで、はっきりした物語性が出てきてうれしい。撮影時は快晴で、日の光に照らされてテンタックの陰影もくっきり出てきて美しい。
トロフィーを掲げた写真をプリントアウトしてゴルフ雑誌の表紙に貼ってみた。思っていたよりもかなり自然に優勝した雰囲気をかもし出せた。これも義父に借りたものなので、この状態で返しておこう。
ゴルフ編はクリアしたと言っていいだろう。もう少し一般的な服装でも挑戦してみよう。
テンタックパンツにワイシャツを組み合わせてみる。…うーん、また厳しい感じに戻ってしまった。
ユニクロ編でもそうだったが、ポージングの工夫で少しはましになるかもしれない。ファッション雑誌でモデルがポーズを決めているページをよく見て、真似してみよう。
世の中には、実を結ばない努力もある。願いは必ずしも叶うというわけではない。正直なところ、これはそういう例に分類されるものだと思う。
ただこの結果には、ロケーションも関係しているのではないだろうか。ゴルフ編にはぴったりだった公園も、ワイシャツだと逆にダメな感じにつながってしまう。
そういうわけで、アーバンな雰囲気を求めてやってきたのは駅。ジャケットも羽織ってビジネスマン風な雰囲気を出そうとしてみた。それでもそんな努力が追いつかないのは、やはりスラックスの色のためだろうか。病院で入院したときに着る服が、こんな色をしている気がする。
また、ジャケットを着るとせっかくのテンタックが見えなくなってしまう。そこはさりげなく主張したい。
待ち合わせの相手が着て手を挙げるのとセットで、反対の手でジャケットを軽く引く。こうすることでテンタックを自然な形でアピールできるわけだ。
もう病院から来たとは言わせない。隠れたおしゃれがそこにあるのだ。
タックの数としてはギネス級か
極限タックパンツを作ってみてわかったのは、タックの数というのはそれほど目立つものではないということだ。そういう意味で、あからさまに主張しない、さりげないおしゃれだとも言えるだろう。
精神的に余裕のある、上級者向けのファッション。それが極限タックパンツ。
今回一番のがんばりどころは、松山ケンイチの立ち方のマネ。これは本当に苦労して、その割にここまでか、と打ちのめされました。