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フェティッシュの火曜日
 
とても自然にズッコケたい

どうしてもこけてしまう地面があったら自然だろう

やはり「こける」はリアリティのなさからまだ実用的でない。ではなぜ「こける」が不自然なのか。それはこける要素が地面に全くないからじゃないだろうか。

そう、ズッコケが悪いんじゃない、地面が悪いのだ。

ツルツルすべる地面の上でギャグを聞いたらコケた。少なくとも平常時よりは自然な状況じゃないだろうか。


ビニールシートに機械油たらたら
靴のうらにもビニールを
おしりにはクッションを挟んで

このおしりがギャグを聞くおしりなのかと言われると悩むが、安全性はやはり捨てがたかったのだ

油作戦、立ててしまったが大丈夫か?

今回用意したのはビニールの上に油、その上にビニールの靴で乗る方法。すべるといったら油だろう。乗ったら生まれたての子馬のようにガクガクツルン、だ。

そう思ってやってみたのだが、あれま。意外と普通に立ててしまった。

「滑る」「こける」というのは動かす力があってはじめて成立するものなんだろう。立つだけではけっこう立ててしまう。

すべれすべれと足を前後に動かしてみるとぬめらぬめらとした感触からツルツルしたものに変わってすべりやすくなってきた。今だ。さあ、ギャグを。


さあギャグスタート!「八級河川!」(状況が変わるたびに級を増やしてました)


ギャグと同時に足を前後にすべらせる動きもスタート
ギャグはとうに終わっているがまだか、まだか

まだ滑らない、まだ滑らない
5秒経過、来た!

そしてゴール!やりました!

ハイ!と同時にシャツが見える仕組みに

動画はこちら。何度か試して一番きれいにこけたテイクを。

別々の物語が生まれた

すべった瞬間はまさにゴールした気分だった。すべって「やった!」と思うなんて初めてだ。どってんとしたどんくさいこけ方も安全性を考慮してのリアリティというものだろう。

しかしどうにも別物なのだ。

映像で確認してみると、右半分のギャグと左半分の曲芸が全く別々の物語のように見えた。右の人はギャグを頑張って、左の人は足をばたばたするのを頑張っているように見える。

何よりコケたときに「やった!」と思ったという事実、そこに充実感を感じてしまってる時点でギャグそっちのけだった。


石川さんがやってもこの充実感。水遊びをするパンダ。

さらにコケやすい地面を…ボール作戦

油作戦はビニル素材が悪いのか油の質が悪いのか、どうにも効力を発揮せず終わった。

しかし次は自信がある。ボールの上に乗るボール作戦だ。


経済的な観点からロストゴルフボール
木枠を作って
ビス留めして色も塗った

なんとなく売り物のような気配がしないだろうか

ゴルフボール50個の上に乗る人、ギャグを聞く

金属の玉をしきつめれば絶対すべる、人からそんなアドバイスをもらって金属球を探したのだがなかなかどれも高かった。

そんな中見つけたゴルフボール。50個1000円で人が乗ってもつぶれない。これはいい。木枠を作ってボールを敷いてすべり台(ちがう意味での)が完成。

これで「なんとなくロストボール売りの上にうっかり乗ってしまった状態でギャグを聞く」という自然な…

文章にして自然でないことはひしひしと感じるが、とにかく「すべってしまう」状況は作られたんじゃないだろうか。さあコケよう。


人は球体の上で自立できるわけがないのである

自立した

枠いらないんじゃない?ボールだけだと立てなくなるんじゃない?

立っちゃった

正確に言うと「それほどすべらない」状態だったのである。

どうやらボールの数が多かったのか、木枠によって隅っこで固定されて面が出来上がってしまったのだ。

私的な興味で家具材を使うなど今日の実験で一番気持ちが乗っていたのがこの木枠作りだった。さようなら木枠。あなたはゴルフボールを数十個載せただけの木材人生でした。

断腸の思いで、木枠を取り払いボールon地面を実験だ。これならボールの集まりも拡散し不安定な足場となるだろう…が。


うわー、これも立っちゃった
「はだしで乗ると足のうらがきもちいいですねー」

意外と安定するゴルフボール

土の地面が悪いのか、密集するボールが悪いのか、ゴルフボール50個の上は意外と安定している。

地面の問題、もっと固い地面を、となって再びでてきた木枠の必要性。「よっ!待ってました!」とここで使えばしっくりきていたのだ。


「きもちがいいんですよー」

「おじいちゃん、いつもありがとうね」

ちがう、まだ敬老の日には早い
数を調整しては
スッテンスッテン繰り返す

この間、問題となったのはしりの蒸れ。でん部だけ異様に暑くなる、外国のようだ(そんな国ないだろうけど)。

結論、ボール25個

トライ&エラーを繰り返し、というと聞こえはいいが、スッテンスッテン転び続けて出た結論。

「39cm四方内でゴルフボール25個」これが黄金スッテンコロリン比率である。

体で覚えたこの数字を私は一生忘れることはないだろう。「39cm四方内でゴルフボール25個!」これを墓碑にしよう。深イイ話というやつである。

ともあれようやく準備が整った。自然に、ごく自然にコケる状況が完成した。さあ、コケよう。思う存分ずっこけてやろう。


今日の集大成、ここに完結

大成功!これこそが自然なズッコケである

自然につるっといきました

素晴らしい。ようやく自然にずっこけることができた。今にも転びそうなこの不安定な足場。この上にさえ乗れば、人はどんなギャグに襲い掛かられても大丈夫なんである。

大丈夫なのであろうか?「自然にずっこける」ことはできたとしても、「ギャグを聞いてずっこけることが自然」にできているのだろうか?

その結論を出すのは怖いので後回しにして、ずっこけが日常と化した今、どうしても具現化しなければならないあれを実現させたい。


「ごめんやしておくれやしておくれやっしゃ」で登場してきたらこける。吉本新喜劇である。

おれの吉本新喜劇も不可能ではない

日常でズッコケを可能にした今、新喜劇を現実に行えるチャンスがやってきたのだ。

あれは夢じゃなかったんだ。関西文化圏の子供たちを今、泣かせてやろう。サンタは実際にいる、くらいの衝撃だろう。

ギャグは「ごめんやしておくれやしておくれやっしゃ」である。余りにも目にしすぎてただズッコケの引き金と化したど定番ギャグだ。


「おれの新喜劇」開演。関西人の夢が叶った瞬間だ。
 

石川さんは「ごめん、普通に体の心配してしまった」と普通に足から着地した

スッテンコロリンやるのはけっこう楽しい

そもそも一体どこのだれがズッコケはじめたのだろうか?

初めて石を手にして動物を殴った原始人のそばにはフグの毒にあたりながらも「これむちゃくちゃうまい」と遺言を残す原始人がいて、その傍らに雷が落ちて衝撃でズッコケることが「…おもしろい」と発見した原始人がいたのだろうか。

そんな原始人いたのだろうか。しかし動きの大きいギャグに対して、こけるという動きの大きさで応えるのは原始的な楽しさを感じた。身体に基づいたコミュニケーションの重要性を感じる意味で、みんなどんどんコケたほうがいいと思う。


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