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はっけんの水曜日
 
メガネの聖地でめがねマラソンを走ってきた

メガネによって印象が全く違う

出走時間になり、続々と集まってくるめがね達。さっきまではしてなかった人も全員めがねをしている。始まる。めがねマラソンが始まるぞ。


そうか、サングラスもめがねだ!

サングラスがあったか!集まってきた人を見てやっと気づいた。 めがねマラソンという響きに惑わされていたがマラソンに 適しためがねもあったのだ。

でも基本的にはみんな普通のめがね。

あぁー。めがね選びを間違えた。と思ったが周りの人たちも普段使いのめがねをしていた。

スポーツタイプのサングラスをしているとアスリートっぽく、銀縁眼鏡をかけていたら休日のジョギングっぽく見える。同じことをするのにこの印象の違い。めがねの力は絶大だ。

 

メガネをかけて走るのはしんどい

スタートの号砲が鳴り響き、走り出すめがね達。


めがね達のペースは速い。


ゆるい感じの大会かと思っていたが案外みんなペースが速い。 日頃の運動不足がたたり、ついて行くのがやっとだ。


もう折り返してる。

いや、ついていくことすら出来なかった。気づくと先頭はもう折り返している。

僕も懸命に走るのだが汗で鼻あてが滑り、走る振動でどんどんどんどんめがねがずれてくる。走ってはクイッ、走ってはクイッ。ずれるめがねとの戦いだ。

 

めがね装着競争では全員一位


歩くけれどもメガネは外さない。

ちんたら歩いている人達ですらめがねを外さない。ちんたらとか書いたがその人達の後ろで写真を撮っているということはそういうことだ。

この人たちのメガネはずれないのか、我慢してるのか。

僕「メガネ外さないんですね、ずれてきませんか?」

男の子1「僕のは、ずれませんけどね。ピシッとしてるんですかね」

じゃあ僕のメガネはダラッとしているのか。

男の子2「外したいんですけど誰も外さないんですよね」

僕「誰ひとり外してないのは凄いですよね」

男の子1「みんなすぐ外すと思ってたんですけど誰も外さないんで外せませんよね」

マラソンの順位では圧倒的に負けているが、めがね装着競争では負けていない。ずれないよう上向き加減で走りだす。

 

マラソンが熱いのは先頭だけじゃない

動かない足を前に進め、ゴールへ向かう。順位など数えきれないほどだしタイムなど望むべくもない。そんな中僕の目標は同じくらいのペースで走る白いTシャツの彼だ。


彼に負けまいと走ったが、彼はすごく優しかった。

抜いては抜かれのデッドヒート。歩かなければ抜き返されることは無いのだが、低いレベルで大接戦。戦いは先頭だけで起こっているわけではない。

疲れているのは僕だけじゃない。彼も疲れているはずだ。だけど見えないゴールに心が折れそうになる。あー、あとどのくらいだろう。ふとつぶやく。すると白Tが答える。

白T「後一キロくらいですよ。がんばりましょう!」

うぉー!彼だけには負けたくないとか思っていたのに彼は一緒に頑張ろうと言ってくれる。負けた。マラソンに勝っても人間的に負けた気がする。そしてマラソンにも負けた。


歩いて笑顔でゴール。

そんなこんなでなんとかゴール。めがねを一度も外さなかったのでめがねマラソン的にはよかったと思おう。


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