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フェティッシュの火曜日
 
今なら逆上がりもできちゃったりして対決


いけるのか!?

あれはたしか3年前、帰省したときの話。犬の散歩をしている道中、近所の公園に鉄棒があるのを思い出した。ふと思い立って、逆上がりをしてみた。そして、できた。

当時、26歳。何を隠そう、これが人生初めての逆上がりであった。

それ以来、「逆上がりは卒業」ということにして、二度と挑戦していない。もう一度やってできなかったら、また「逆上がりができない人」に逆戻りだからだ。

(text by 石川 大樹



意外とできちゃったりして

今からでも遅くはない。あの頃できなかった逆上がりを、練習してできるようになろう!

…というようなポジティブな企画ではない。今回は。

「久しぶりにやってみたら意外とスルッとできちゃったりして!」っていう、都合のいい、そして怠惰な企画である。元々運動神経はかなりのレベルで悪かった僕。この期に及んで、努力する気は一切ない。

「できちゃったりして!」の根拠は、先に書いた逆上がり体験だけである。逆上がり1回分の成功体験を自信に変えて、いま、挑戦がはじまる。


左から石川(筆者)、斎藤さん、安藤さん

対決だ!

この志の低さにもかかわらず、今回はずうずうしくも対決形式である。対戦相手は、編集部の安藤さん、そして火曜ライターの斎藤充博さんだ。

逆上がりだけではすぐ勝負がついてしまうので、それ以外にも、昔できなかった運動をいくつか用意した。競技は5種目。逆上がり、交差跳び、手放し運転、木登り、逆立ちである。勝負が決まらなかった場合、延長戦として3重跳びも行なう。


上から石川、斎藤さん、安藤さん。○がついているところが、昔できた種目

ルールも決めた。

・競技ごとに、できたら10点獲得
・昔できなかったのに今できた人は、ボーナスとしてさらに5点追加
・昔できたのに今できなかった人は、ペナルティとして10点マイナス

運動ができる人ではなく、「昔できなかったけど久しぶりにやってみたらできちゃった」人が得をするルールである。

つまり、僕に有利なルールだ。対戦相手は明らかに自分より運動ができそうな二人だが、このルールによって僕は断然有利なのだ。

 

 

感触を確かめる

逆上がり

最初の種目は逆上がり。

冒頭で書いたとおり、僕は逆上がりならできたことがある。かるくウォーミングアップのつもりで第一種目に選んだ。

一度前回りをして感触を確かめる。この手順は、一度だけ成功したあのときと同じだ。根拠もなく、いける!と確信した。


蹴り上げて(この時点で体傾いてる)
かろうじて乗り上げ成功!

バタバタと、もがくも
むり!(顔、真っ赤)


急に老けた

逆上がり失敗→老衰

180度回転までは成功。その時点までたしかな手応えはあったものの、勢いが足りずに回りきれず、そのまま反転して戻ってきてしまった。

いま原稿を書いていて驚いたのは、左の写真の自分の老けようである。顔のしわ、光の具合で白くなった髪。これでもまだ20代だ。逆上がり(しかも失敗)ひとつにどれだけの生気を使ってしまったというのか。


小学校の頃の僕は、僕は鉄棒の上に乗っかることさえできなかった。

そう考えると、今回、180度回れただけでもたいした進歩である。あのときは逆上がりを月面旅行くらい遠いものに感じていたが、今はハワイ旅行くらいの距離感だ。まだ遠いけど、がんばれば行ける。

そんな風に自分を慰めつつ、つづいて斎藤さん、そして安藤さんの番。


「あ、これちょうどいい高さですよ」
ピタッ

「ベルトがちょっと引っかかりますね」
ピタッ

驚いた。二人とも、くるりと1回転したあと棒の上で止まったのだ。

できる・できない以前に、僕には「止まる」という発想自体がなかった。「正しい逆上がりってそういうものだったのか!」といま知ったのだ。

さっき逆上がりはハワイ旅行と言ったが、僕がハワイだと思っていた場所は実は熱海だったのかもしれない。本当ハワイは、「止まる」という海を越えた向こうにあった。

逆上がりは石川が失敗、斎藤・安藤は成功。最初の競技を終えて、好調とはいえない滑り出し。次は、なわとびです。


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