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ロマンの木曜日
 
これが男のヌンチャク人生


 

ヌンチャク、それは男の憧れ。しかし、憧れの対象が空手やボクシングだったら道場やジムに入って実践するという手があるけれど、ヌンチャクはどこに行けば習えるのか?そうしてキョロキョロしてるうちにそして男は心のヌンチャクを忘れてつまらない大人になっていく…。そんな大げさな話じゃないですが、たしかに習う所が見あたらないのは事実。

しかし!子供のころ心のヌンチャクを持って以来、今もヌンチャクを振り続ける男がいる!ヌンチャクを習いたい人から男の生き方を学びたい人まで必聴な、日本一のヌンチャクアーティストのお話。

大坪ケムタ



ヌンチャク歴29年!まずは手作りから

と、男ならヌンチャク憧れて当たり前!くらいの勢いで書いてますが、30代以上のブルースリー&ジャッキーチェン世代なら当然のものとして今回は進行します!やっぱりあの振り回しながら左右の手に行ったり来たりするアレ(後ほど正式名称はお伝えします)の格好良さは一度見たら忘れられないでしょ?

でも、その武器としての知名度のわりに「どこで習えばいいんだろう?」という話をしてたら友人に「凄い人が知り合いにいますよ!」と紹介してもらったのが、世界コンバットヌンチャク連盟代表にしてヌンチャクアーティストの宏樹さん。

これぞヌンチャク使い、いやヌンチャクアーティストだ!

似たような人がデイリーにもいますけど、こっちは限りなく本物!実際、オーストラリアでヌンチャクを披露された際現地の人たちに「ニンジャだ!」と騒がれまくったそうですから。

指の先まで絵になってます。


「世界コンバットヌンチャク連盟とは?」「ヌンチャクアーティストとは?」といった話は後においておくとして、今年39歳の宏樹さんはヌンチャク歴29年!筋金入りどころじゃない。とはいえ、この年代でヌンチャクといえば始めるきっかけはもちろんブルース・リー。

「幼稚園のころ、まず仮面ライダーに夢中になったんですよ。悪い奴らを蹴り倒して仕留めるって何て爽快感だろう!とね。でも、子供なりに『仮面ライダーにはなれないだろうな』って思ってたんです。そこで小学校に入ったころ、ブルース・リーの映画に出会ったんですよ!生身の男が仮面ライダーと同じ事をしている!とびっくりしたんです」

−−バッタバッタと悪を一撃で仕留めてると。

「ただ、見たこともない武器を持ってるんですよ。あれは一体何なんだ?と調べてみたらヌンチャクと言うらしい、と」

−−小学生だとそれまで見た武器っていうと剣とか銃くらいでしょうしねえ。あんまりテレビでも出ないし。

「それで自分もやりたい!と思ったんですが、どうすればいいか分からない。買うにしろどこにも売ってないですし。そこで、自分の地元が北海道なので除雪用のスコップがどこの家にもあるんです。それの柄を2本に切って鎖を釘で打ち込んで‥」

−−また乱暴なヌンチャクですね(笑)。

「それを黒のビニールテープで巻いて完成ですよ。それからもう学校から帰ると、ひとりで公園で樹を蹴飛ばしたりヌンチャクの練習ですね、毎日」

−−ヌンチャクのお手本は映画だけ?

「そうですね。まだビデオも無かったですから、映画のイメージだけで(笑)。でも練習法は変わりましたけど、当時思った憧れは変わってないですよ。『ピーターパン症候群』ってのがありますけど、自分の場合は『ブルース・リー症候群』ですね(笑)」


最初「ヌンチャク習ってみたいなー、誰か教える人いないかな?通信教育とか」てな感じで軽く考えてた自分を叱責したい気分だ‥。道がないなら作る!そんな小学生も凄いですが。

話聞いた後にデモンストレーションしてもらったんですが
ヌンチャクが消えたり曲がったり。写真じゃ追いつきません!


誰も指導者がいるわけでもないヌンチャク特訓、当然宏樹少年はケガ三昧。しかし友達を誘うでもなくひとりで行うのには意味があったのです。

「ブルース・リーになるには秘密特訓をしなきゃいけない!って子供心に思いこんでたんですよね。もしブルース・リーが戦隊ものだったら仲間を募集してたんでしょうけど(笑)」

−−孤独でこそのブルース・リーだ!と。

「ブルース・リーになるには友達なんかいらない、って思ってたんですよ(笑)。子供社会なんて入らない、俺にはあいつらは必要ないって。そしたら親が心配したんでしょうね、強制的に少年野球チームに入らされたんです」

−−そりゃ心配しますよね(笑)。

「これがもうホントに嫌で‥。興味ないからバッターボックスでもブルース・リーみたいな構え方するんですよ(極端に後ろに重心を置いて)。そしたら全く当たらないんですよ。小学校卒業するまでほとんどヒット打てなかったですね」

−−野球学ぶ気全然なかったと。

「未だにアウトとセーフが分かんなかったりしますからね。でもテレビ番組の企画でヌンチャクでピッチングマシーンの球を打つ、ってのをやったらバカスカ打てて(笑)→映像は宏樹さんのサイトで」

−−バットで打てなかったのがヌンチャクで打てた(笑)。

「それで野球という呪縛から解き放たれましたね(笑)」


その後、10歳で近所の空手道場に入り、そこで正しいヌンチャクの使い方を習った宏樹少年。ここからがヌンチャク歴のスタートだそう。西暦でいえばBCとADみたいな。

ちなみにその当時ジャッキー・チェンブームがやってきた効果で「修行ブーム」が宏樹少年に訪れたそうです。影響早っ!しかしその真正面なレスポンスこそが今の彼を作ったわけでしょうが。


−−でも、宏樹さんは喧嘩でヌンチャク使ったりしなかったんですか?

「練習の時にボコボコ頭に打ち付けて痛い思いしたんで、これで殴っちゃダメだろってのは昔から思ってましたね」

−−悪と対面するまでは振るってはいけない!と。

「そうですね(笑)。それに学校終わったらすぐ道場行く生活でしたんで(ケンカする時間もない)。」

−−様々な流派を学びつつヌンチャク一筋29年と。

「執念でしたね、ブルース・リーになりたいという。自分が才能がなかったんで、普通なら2,3年でマスター出来ることを10年以上かからないと出来ないので長く長く続けてきましたね‥」


才能はない、とおっしゃる宏樹さん。でも「努力する才能」はとんでもないんでしょうね。でなきゃ満足することなく29年も続けられない!

さて、宏樹少年であれ自分であれ、まず男にとってヌンチャクが気になってしまうのはブンブン振り回す格好良さ、要は見た目からだったりするわけですが、武器という以上やはりそれなりに使える部分があるはずでしょう。刀とか斧とかに比べて。いったいそれは何なのだろう?実戦で使うことはないとはいえ、宏樹さんなら分かるはず!


−−ちなみに、ヌンチャクの武器として有利な部分って何なんでしょう?

「ヌンチャクはねぇ‥使えば使うほどなんて不器用な武器なんだと思うんですよ。ホントにわがままで見栄っ張りで、扱いづらい子供のような武器なんですよ(笑)」


ええ〜!でもこの我が子を評するような言い方に愛情を感じますね。しかし、そんな不器用さのその先にあるヌンチャクの魅力、そしてヌンチャクの今について次ページでは聞いてみますよ。

ちなみに最初に書いた「あの振り回しながら左右の手に行ったり来たりするアレ」は風車回しと呼ぶそうです。ヌンチャク豆知識。


見た目が非現実ぽいからか、こんな3ショットも似合います。

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