イベントへ
近くの街で物産展のようなイベントが催されていたので出かけてみた。昨年は駐車場がいっぱいで入ることができなかったのだが、少し早起きしたおかげで今年はゆっくり見物することができた。
「岩手にしちゃあ、ずいぶん人が……」と言いかけてやめた。これもまた手旗で発信すべき内容であろう。 さて、いろいろと美味しそうなものがあるので、ぼくもひとつ買って食べてみた。
わざわざ出かけてきた物産展で買った食べものが、たとえば、ちょっと微妙であったとする。 だがこういう場合、子供みたいに大声で「コレ、マズイ!」とか言ったりしたら、それこそ周りも含めて雰囲気が悪くなる。 そういった配慮をするのが大人というものだが、なにしろ今日は旗がある。大人として言うべきではない一言も、この際はっきりと言ってしまおう。「イマイチ!」と(結局マズイと言わないあたりが悲しいかなやはり大人だ)。
この瞬間、実際に言いたかったのは「風船ジャマ!」だったが、もちろん前の女性はなにも悪くない。
正直に生きることの難しさ
それにしても旗を振って感じたのは、
口に出す以上に勇気が要るんですけど
口に出して言いづらいことも手旗でなら気にせず言える。そんなふうに考えてはじめたものの、大勢の人の中でいきなり紅白の旗を振るという行為は容易ではなかった。 緊張のあまりポーズを忘れて何度もやりなおしたりして、そしたら目の前に風船である。元気もなくなるというものだ。
そんなこんなで時間が経つごとにすっかり意気消沈し小さくまとまってしまった手旗がこちらである。
お店にパーマのおばさんが並んでいたのでそれを声に出さずに伝えたかったのだが、すっかり目が死んでいる。言うのを我慢していたほうがまだ身体にいいという話だ。
まだ言い足りない
情けない姿をみせてしまったが、もう少し続けたい。 大人は言わないけど子供が平気で言っちゃうことの代表格として思いついたのが「オナラ」である。 どこからともなく匂ってきた。そんなとき大人であれば黙って時が過ぎるのを待つわけだが、子供は残酷なほど遠慮ない。
目どころか顔全体が死んでいるのが気になる。あと、カクカクした動きがなんか気持ち悪い。 それにしても、ドリフターズで培われた「オナラって面白い」という自分自身のセンス、そろそろさよならしたいものである。
ラストシーンは高所から
それでは最後に、口では言えないぼくの秘密を、公衆の面前でお伝えしてさよならしたいと思います。
ノーパンではないので御安心いただきたい。
口で言えないことでも手旗ならへっちゃら! そう考えたものの、群衆の中で手旗を振るというのも相当にしんどい。けっこう恥ずかしいし、それ以前に、まず危ない。すみません。 いつも以上に余計な神経をつかうことになるので、手旗の普段づかいは逆に身体に悪そうだ。
それにしても、「言いたいこと言える!」と思った途端にでてきたアイディアが、『女子トイレ』に『オナラ』に 『ノーパン』というのは、我ながら情けないものがあった。