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ひらめきの月曜日
 
奥会津の天然炭酸水を汲みにいく


果たして天然炭酸水は汲めるのか

福島県奥会津地方に「天然の炭酸水」が湧いているという。

天然の炭酸水。つまり汲んだときからシュワシュワしている水である。しかも、そんな神秘的な水を無料で汲むことができる井戸があるらしいのだ。そうか、じゃあ汲みに行こう!

早速レンタカーを手配し、福島県の地図を買った。東京から350km離れた天然炭酸水を目指すのだ。

榎並 紀行



自由に汲めるけど、飲むのは自己責任

先日、知人にお土産で貰ったドイツのミネラルウォーターが天然炭酸水だった。自然界に炭酸水が湧いているなんて、それまでは思いもよらなかったことだ。

日本人は「天然」を格別ありがたがるようなところがあるが、僕こそまさにそのクチだ。500mlのペットボトルを1週間かけ、大事に大事に飲んだ。後半3日は炭酸が抜けていた。

そのドイツの炭酸水は僕が苦手な硬水(日本の水道水が軟水のため、硬水は日本人にとって馴染みが薄い)なのだが、すっきりと喉を通る微炭酸でじつに旨い水だった。天然だからに違いない。

そんな天然炭酸水が汲み放題とあらば、これはもう行かねばなるまい。福島に。そしてその水をユーロ圏に輸出して、ヨーロッパに家を建てよう。



大きな地図で見る
井戸があるのは福島県の金山町

まずは地元役場の方から電話でおおよその場所を聞き出す。井戸は金山町大塩という地区にあるらしい。

お礼を言って電話を切ろうとすると「汲みに行くのはいいけど、これだけは気をつけてね」ということで、いくつかの注意点を授かった。

  • 保健所で検査していない井戸なので飲むのは自己責任で
  • 近頃は井戸の水位が下がっていて、泥が混じっていることも
  • 井戸を覗きこむと、湧出しているガスで頭がクラクラします
  • 井戸に落ちないでね

ぜんぶネガティブな情報だ。大丈夫だろうか。


磐越道の会津坂下ICから国道252号を南下

東北道の郡山JCTから磐越道を経由して、国道252号を新潟方面へ向かう。国道252号は只見川の渓流沿いを走る、じつに風光明媚な道路だ。映画のロケで訪れた椎名誠は自然の美しさに感動してこの場所に写真館を建てたという。それくらい風光明媚なのだ。

椎名誠が愛した景色

片側一車線の広くはない道路だが交通量はわりかし多い。景観がいいのでツーリングやドライブを楽しみに来る人たちがいるんだろう。

途中には休憩に最適な道の駅もある。


道の駅「会津柳津」。かわいい赤ベこがマスコット

 

天然炭酸水は売店で売られていた

道の駅の敷地内には地元の特産品を取り扱う物産店がある。

なんと今まさに汲みに行こうとしている炭酸水も特産品として売られているではないか。


「aWA 心水」(250ml)252円
奥会津に湧く天然炭酸のお水

その名も「aWa 心水」。08年09年と、2年連続でモンドセレクションの最高金賞を受賞しているという。ハイカラな名前はダテじゃない。

aWa心水のポップには
「小さな泡がはじける時、
あなたにもきっと聞こえるはず
妖精の心のささやきが」
と、そそるあおりが添えられている。

一本買って飲んでみた。
僕にも聞こえるだろうか、妖精のささやきが。


「天然」+「モンドセレクション」で日本人(僕)の心をわしづかみ
シュワシュワうまい!

「aWa心水」はそれほど強い炭酸ではない。繊細な泡は喉にシュワっとはじけて消える。いたずらっ子の妖精が、微炭酸の魔法で舌先をくすぐるのだ。

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